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【第37回東京国際映画祭】テオドラ・アナ・ミハイ監督『トラフィック』美術品窃盗の裏にある貧困



<作品情報>

第34回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した『市民』(日本公開題名『母の聖戦』)の監督テオドラ・アナ・ミハイの新作。若いルーマニア人夫婦のナタリアとジネルは、より良い生活を求めて西欧に移住するが、その夢は厳しい現実の前に破れる。困窮生活のなか、ふたりは美術館の絵画を強盗する企みに加担することになる…。2012年にオランダのロッテルダムで起きた美術品窃盗事件に基づき、西欧と東欧との経済格差の問題に切り込んだ作品。オードレイ・ディヴァン監督作品『あのこと』(21)の主演で高い評価を受けたアナマリア・ヴァルトロメイがナタリア役を演じる。ルーマニアを代表する映画作家クリスティアン・ムンジウが脚本と共同プロデュースを担当した。

https://2024.tiff-jp.net/ja/lineup/film/37002CMP14

<作品評価>

60点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆

<短評>

おいしい水
普通によく出来た作品ではありますが、特段印象に残るところのない作品でした。ムンジウ要素も感じることが出来なかったです。
美術品窃盗という物語、そして西欧と東欧の分断という背景を丁寧に語ってはいます。しかしテンポが悪く物語がなかなか前に進みません。
悪い作品ではないですが、『母の聖戦』で見せた強度には遠く及びません。しかし独特の風味はしっかりあるので退屈という程ではないんですよね。コンペの中では水準作という感じではないでしょうか。個人的にはもっと何かが特出していればよかったなと感じました。

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