見出し画像

フランシス・フォード・コッポラ監督『カンバセーション…盗聴…』盗聴をテーマにしたサスペンス!?


<作品情報>

プロの盗聴屋が若い男女を尾行し、会話を盗聴したことから捲き込まれる恐怖劇。ピーター・ボグダノビッチ、ウィリアム・フリードキン、フランシス・フォード・コッポラの3人が設立したプロダクション、ディレクターズ・カンパニー作品として、コッポラが寄与する第1作。製作はフレッド・ルース、共同製作はモナ・スカジャー、監督・脚本はフランシス・フォード・コッポラ、撮影はビル・バトラー、音楽はデイヴィッド・シャイア、編集はリチャード・チュウが各々担当。出演はジーン・ハックマン、ジョン・カザール、アレン・ガーフィールド、フレデリック・フォレスト、シンディ・ウィリアムズ、マイケル・ヒギンズ、エリザベス・マックレー、テリー・ガー、ハリソン・フォード、ロバート・デュヴァルなど。

1973年製作/アメリカ
原題:The Conversation
配給:パラマウント映画=CIC
劇場公開日:1974年11月26日

https://eiga.com/movie/43561/

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆

<短評>

上村
素晴らしい。空間の使い方がコッポラって本当に上手い。主人公の仕事場のあの空っぽな感じ、それが不穏で不思議です。
また音の使い方も本当によくて、盗聴をテーマにしてるから当たり前なんだですが、何度も繰り返される盗聴のテープがどんどんはっきり聞こえてくるのとか、終盤ホテルでのホラー的な音演出だったり面白すぎました。
ジーン・ハックマンが自ら生業とする盗聴に精神を蝕まれていく様を入魂の演技で魅せています。
静かな中の音、細かな小道具やセリフなど脚本も素晴らしく、よく見ているとハッとする場面が多々あります。
めちゃくちゃ面白く、コッポラの美学が徹底した一級のサスペンスでした。

吉原
初めて観た時、内容を十分に理解することが出来なかったので、感想を書くために再鑑賞したら、これが面白くてびっくり。主人公は信心深いにも関わらず、人の会話を盗聴するという行為を生業にする男。依頼を受けた一つの盗聴に好奇心を抱いたことを皮切りに、自らの精神や生活に支障をきたす出来事に巻き込まれてしまう。
ジーン・ハックマン演じる主人公が、一つのテープに取り憑かれていく様が面白いだけでなく、この世界に存在している「盗聴業界」の存在が非常に興味深いです。言うなれば、ものすごく地味なスパイ映画。「007」シリーズや「ミッショん・インポッシブル」「キングスマン」などのスパイ映画が好きな人におすすめするにはあまりにも地味すぎるかもしれませんが、見応えがある作品には間違いありません。

<おわりに>

 コッポラの作風が光る一級サスペンスでしたね。
 ちなみに、明日は年末ということで特別企画を予定しています。お楽しみに!

<私たちについて>

 映画好き4人による「全部みる」プロジェクトは、映画の可能性を信じ、何かを達成したいという思いで集まったものです。詳しくは↓


いいなと思ったら応援しよう!