見出し画像

【第37回東京国際映画祭】カタリナ・グラマトヴァ監督『大丈夫と約束して』母の秘密を知った青年



<作品情報>

スロバキアの田舎の村にある祖母の家で夏休みを過ごしている15歳のエニョは、仕事のために離ればなれになっている母親と一緒に暮らしたいと望みつつ、友人たちとバイクで山野を走り、田舎での生活を楽しんでいる。そんなエニョは、村の人々から自分が知らなかった母親の一面を知らされる。母親が、自分が思っていたような高潔な人物でなかったと知り、エニョの心は揺れ動く…。スロバキアのバンスカー・ビストリツァ県の山村ウテチカで撮影されたカタリナ・グラマトヴァの長編デビュー作。本作の前に同じ村で短編ドキュメンタリー映画“A Good Mind Grows in Thorny Places”(24)を撮影したグラマトヴァは、この村の人間関係を徹底的に観察することにより、本作の設定を作り出したという。

https://2024.tiff-jp.net/ja/lineup/film/37002CMP11

<作品評価>

55点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆

<短評>

おいしい水
端正な演出、美しい撮影は素晴らしいです。しかし脚本が練り込み不足に感じました。特に終盤はやや無理矢理な終わり方に思えました。
僕のコンディションが悪かったのもあってあまり印象に残っていないんですよね。母と息子の関係を描く作品で、展開自体は丁寧でよかったと思います。しかし終わり方は何も解決していないように思えて不満が残ります。
コンペの中では水準作という感じではないでしょうか。賞に絡むとはあまり思えません。空気感は好きでした。

クマガイ
ワルガキたちの日常と、家庭が抱える問題にフォーカスした作品です。
この作品はとにかく撮影が良い。 とりわけグレーディングとか相当凝っていると感じ、見ていて絵に飽きは無かったです。
また演出としても、ある種のファム・ファタール的な魅力のある母親に向ける主人公のまなざしには、どこか感情移入してしまう説得力がありました。
ただ、パチモン・トレインスポッティングと言いますか……。 主人公の心の揺れ動きを描く家族パートに対し、ワルガキパートがあまりにも冗長に感じました。
最後はものすごい痛快というか、主人公なりの結論を出したんだと思うのですが、結局何も解決していないというモヤモヤ感が残ります。

<私たちについて>

 映画好き4人による「全部みる」プロジェクトは、映画の可能性を信じ、何かを達成したいという思いで集まったものです。詳しくは↓


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集