アディナ・ピンティリエ監督『タッチ・ミー・ノット ローラと秘密のカウンセリング』性をめぐる実験的作品
<作品情報>
<作品評価>
45点(100点満点)
オススメ度 ★☆☆☆☆
<短評>
おいしい水
これまではドキュメンタリーと短編映画を撮ってきた監督で、この作品もドキュメンタリーとの境目が曖昧になっています。全身脱毛症の俳優やトランスジェンダーのセックスワーカーなど登場人物たちはそのまま、しかも名前も同じに登場してきます。
演じる、というより自分自身を見つめ直しているような作品で、白を基調とした無機質な美術により観客もそこに投影し、自らの性と生に向き合うことを余儀なくされます。
話という話はないので映画としては退屈なのですが、何か心に残るような…監督が今後どんな映画を撮るのか楽しみではあります。
吉原
この映画は非常に難しい…
マイノリティたちの「生」と「性」について、ドキュメンタリータッチで描かれた実験的な作品であり、彼らへのセラピーの様子が延々と続くような印象を受けます。
生きる上で切り離すことのできない「性」というテーマを、マイノリティの視点から描くことで、観客に「生きること」を見つめ直す機会を与えることを狙っているのかもしれません。
興味深い作品であることに間違いはありませんが、誰にでも勧められる作品ではないと感じます。
<おわりに>
観る人を選ぶ作品でしょう。ドキュメンタリーとフィクションの境目を曖昧にする独特な作品です。
<私たちについて>
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