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【第37回東京国際映画祭】ティエリー・ド・ペレッティ監督『彼のイメージ』追憶のコルシカ島



<作品評価>

映画は、コルシカ島の地方紙で働く写真家のアントニアが交通事故で死亡し、その葬儀のために家族や友人たちが集まる場面から始まる。そして、アントニアが18歳だった1980年に遡り、そこからの20年あまりの彼女の人生が描かれる。写真を撮るのが好きなアントニアは、コルシカ独立運動に身を投じているパスカルと恋愛関係になり、同じように政治活動を行っている若者たちと知り合う。やがて、彼らが所属する「コルシカ民族解放戦線」の活動は過激化し、パスカルは投獄と釈放を繰り返すようになる…。ジェローム・フェラーリの小説に基づき、個人のエピソードをモザイク状に構成し、その背景にコルシカの社会状況のうねりを描く構成が見事。

https://2024.tiff-jp.net/ja/lineup/film/37002CMP07

<作品評価>

55点(100点満点)
オススメ度 ★★☆☆☆

<短評>

クマガイ
主人公のカメラを通して、彼氏とその仲間たち、そしてイタリア・コルシカ島の劇的な変化、メディアの在り方などを描いた意欲作でした。
この映画の特筆すべき点は、とにかくロケーションですね。
とにかく綺麗。コルシカ島の美しい自然風景を秀麗に描いています。
最後までこの映画、主人公のアントニアが辿った軌跡のすべてを見ると、彼女の死は本当に事故死だったのか?と考えさせれる、考察の余地が残る作品でした。

相原
全体を通して大きな見どころは無かったですが、断片的なエピソードをナレーションで繋ぎ合わせている割にはわかりやすく、見やすかったです。嫌いではない。
主人公が亡くなった時点でのシモン(アントニアと恋仲になりきれなかった男)の目線で語られる作りのため、血生臭いシーンでもどこか淡々としており、切なさだけが漂うギャップがあります。そのせいなのか、少し没入しにくい気もしました。
そもそもこの映画はロケーションがすごく良いので画面が基本的に美しく、明るく美しい土地を舞台に暴力を伴ってしまう独立運動の生々しさが描かれる点は印象的でした。

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