クエンティン・タランティーノ監督『パルプ・フィクション』行先不明のクライムドラマ
<作品情報>
<作品評価>
85点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆
<短評>
上村
全てが作り物めいていて本当にパルプ・フィクション(紙質の悪い本)を読んでいるような感覚でした。
時系列をシャッフルする手法がとても上手いし、なるほどこことここが繋がるのかというのが面白かったです。
特にジョン・トラヴォルタとマーセルスが乱闘になる店の展開は予想外すぎて笑いました。
ただ、やたら「ニガー」という言葉を言っていたり、上述のホモセクシャルのシーンの不誠実さは気になるところですかね。まあでもその言葉を言うのは当事者のサミュエル・L・ジャクソンだし、ゲイの警官たちは悪いことをしているわけだから気にすることはないのでしょうか…
もっと前衛的な作品かと思ったら割とストレートに面白い作品でもありました。タランティーノのファンではないのでそこまで好きにはならなかったけど、なるほどこれは歴史に残るのも分かるなと思いました。
吉原
高校1年生の終わりに劇場で「ヘイトフル・エイト」を鑑賞した後に(R18+なのに16歳が劇場鑑賞しているのは内緒)タランティーノ監督作品を全て鑑賞し、「これが一番!!」と思ったのが本作「パルプ・フィクション」でした。
その後、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が公開されてもこの順だけは揺るぎませんでした。
様々な時間軸の物語が入り乱れることにより、それぞれの話がどの様な順番で展開されているのかを考えるのも面白いですし、登場人物たちの意味があるのか不明な会話劇を堪能するのも重しい作品です。
しかし、なんと言っても本作の見どころは、サミュエル・L・ジャクソンの怪演に尽きます。名脇役として100本以上の映画に出演しているサミュエル。私の一番好きな俳優でもありますが、その中でも本作がベスト級の演技力です。初見の方には、内容自体も勿論ですが、サミュエルの演技に着目して鑑賞してもらいたいです。
<おわりに>
映画史の中に残る作品と言っても過言ではないでしょう。展開力が光るタランティーノ監督の代表作です。
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