見出し画像

【第37回東京国際映画祭】マルコ・デュトラ監督『死体を埋めろ』鬼気迫るスプラッター複合神話



<作品情報>

ブラジルの片田舎で路上ではねられた動物の死体を回収する仕事に従事しているエジガルは、常に暴力的で異様な悪夢に悩まされている。ガールフレンドのネッチと一緒に今の生活から抜け出したいと考えているエジガルだったが、ネッチがカルト宗教に入信したことを知り、彼女を取り戻すために旅に出る。ロカルノ国際映画祭で銀豹賞を受賞した『狼チャイルド』(17)などで知られるマルコ・ドゥトラがアナ・パウラ・マイアの小説を映画化した最新作。これまでのドゥトラの作品と同様、超現実的で奇想天外なストーリーを語りつつ、社会や宗教に対する痛烈な批評を投げかける。ミゲル・ゴメスの『熱波』(12)を撮影したフゥイ・ポサスによる撮影も見事である。

https://2024.tiff-jp.net/ja/lineup/film/37002CMP03

<作品評価>

85点(100点満点)
オススメ度 ★★★★☆

<短評>

クマガイ
ひとえに鬼気迫る怪作ですね。
鑑賞後の感慨は『バクラウ 地図から消された村』と近いものを覚えています。
私が思うに、この作品はマルコ・ドゥトラ監督による創作神話、その体系なんじゃないかと感じています。
『黙示録に基づく7つの寓話』がテーマとのことですが、気付けばクトゥルフ神話が引用されているなど、その解釈はキリスト文脈(=新約聖書)の域を超越したものとなっています。
おそらくこの映画にメッセージ性は無いです。
あまねく宗教神話に対する監督の再解釈。
監督による神話の再構成、それを映像として形に落とし込んだ、ある種の“創約聖書”が本作なのではないかなと思います。
シッチェス・カタロニア国際映画祭などのジャンル系映画祭と親和性がありそう。
ポテンシャルは本当に高い作品だと感じます。

<私たちについて>

 映画好き4人による「全部みる」プロジェクトは、映画の可能性を信じ、何かを達成したいという思いで集まったものです。詳しくは↓


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集