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嵐を聴きながら振り返る、平成という時代〜嵐シングルレビューPart2
時は2001年、嵐はデビューして丸1年と少し。
21世紀最初の年、世間的には国内で小泉政権発足、アメリカでは年始早々いきなり同時多発テロが起こったりと激動の1年でしたが。
当時小学5年生だった僕は、テレビやラジオに夢中でしたね。
そんな多感な時期の僕がラジオでよく耳にしていたのが、嵐の5枚目のシングル「君のために僕がいる」。
前作「感謝カンゲキ雨嵐」の
路線を引き継いだ良質なポップス。
ただ、歌詞の内容は恋愛・応援といった要素が強く、アイドルソング感が強く押し出されている印象。
サビの「頑張るさ!負けないのさ!」という、感嘆符のついた歌詞とダンスが
いかにもアイドルっぽくかわいらしいですね。
この惑星の上に 生まれてきたこと
もう後悔しないように勇気をあげる
っていう歌詞、昔は普通に思えてたのに今見るとなんか泣けちゃう。 歳ですか?
続く6枚目のシングル「時代」は、一転してダンサブルなロックナンバー。
松本潤主演の「金田一少年の事件簿」主題歌となったこの曲は、メロディアスな アコースティックギターと不穏な雰囲気な打ち込み音から一気に激しさを増すイントロが、これまでの嵐とは違う印象を 強く打ち出している。
めっちゃ余談なんですけど、今32〜35歳ぐらいの人にとってはごくせんと金田一って松潤だよね。
僕はどつよバージョンもギリギリ観てましたけど、ドストライクではないですね。
この頃の嵐はセールス的に低迷していたので、良くも悪くも楽曲的に攻めれるのが強みでした。
この頃色んなタイプの楽曲に触れていたことが、間違いなくブレイク後の礎になっていると思うんですよ。
そんな『攻めの嵐』の真骨頂が、7枚目のシングル「a Day in Our Life」。
後に2本の映画が作られ、
脚本家・宮藤官九郎と
俳優・岡田准一の出世作となったドラマ
「木更津キャッツアイ」EDテーマ。
櫻井くんも大きい役どころで出演してましたよね。
イントロからヒップホップ全開のサウンドは聴く曲を間違えたんじゃないかと思うレベル。
「SUNRISE日本」みたいにスクラッチが入ってるとかそんなレベルではなく、がっつりのヒップホップ。
Aメロから蛇口全開のサクラップに、リスナーの脳汁もドバドバです。
歌詞カードに歌詞が載ってなくて歌わせる気が全くないあたりも最高。
冒頭のラップ含め、スケボーキングによる
トラック・歌詞が全編に渡って鬼カッコ良いっす。
歌詞に関しては、当時の嵐が持っていた
飄々と社会を
くぐり抜けていくような
若者の抜け感や気だるさ、そして若干の切なさが凝縮されている。
時が過ぎていってしまう無常感とそれすらさらっと受け入れてしまう肩の力の抜けた"若者っぽさ"がマジで最&高です。
なんでいきなりヒップホップ路線やねんっていうツッコミを冒頭に入れましたけど、よくよく考えたらこの曲がリリースされた2001年はRip SlymeやKick The Can CrewがメジャーデビューしたりDragon Ashがヒット曲を連発していて若者が聴く音楽の最先端がヒップホップっていう時代だったので。
当時の若者を体現していた嵐がヒップホップ路線に傾くのも、当然っちゃ当然と言えます。
こうして、セールスや人気は停滞気味だったものの嵐は様々な楽曲に挑戦して音楽的な素養を身につけていきます。
彼らが大ブレークして平成を代表するアイドルの座に上り詰めるまで、ここからまだ約6年。
僕のレビューもまだまだ続きそうです。笑