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美しくて柔らかいけど、個人的にはあと一歩欲しかった。Netflix「パレード」感想

もうちょっとだけ感情を揺さぶってくれれば、傑作になれかもしれない。

長澤まさみ、坂口健太郎、森七奈、横浜流星、寺島しのぶ、田中哲治、黒島結菜、リリー・フランキー、北村有起哉…邦画オールスターズと言っていい豪華キャストを束ねるのは、「新聞記者」「余命10年」の藤井道人。

なんといっても、Netflixならではの豪華予算から繰り出される美しい絵作りは圧巻。
序盤の海のシーンはもちろん、物語のメインとなる観覧車とバーの跡地があるみんなの溜まり場も遠景で見ると美しく、計算し尽くして作られたのがわかる。カメラアングル、美術、演出すべてがハイレベルである。

メインのロケ地は宮崎県で固められているようで、印象的な観覧車がある場所は化女沼レジャーランドという遊園地の跡地らしいです。こんな良いロケ地があるんだなぁ。素晴らしいロケーションでしたね、本当。

とまあ、絵作りは見事だったんですけど内容がちょっとねー。メインの登場人物が多過ぎて、散らばり過ぎた印象です。
数多い登場人物の描写をうまくまとめてはいるんですけど、そもそもこんなにいるの?っていうのがまず疑問。笑

横浜流星演じる勝利のエピソードは結構しっかり入っていけたんですけど、他の人物のストーリーは全部並行して走るので…感情が散っていく印象が否めなかった。

出演者各人の演技は文句のつけようがないです。
オーバーな演技もなく、みんなそれぞれちょうど良い。
長澤まさみは主演感があるというか、いるだけで華があるので良いですね。
寺島しのぶの役とか、スベるとめっちゃ恥ずかしくなるキャラクターだと思うんですけど。流石の芸達者具合。
パブリックイメージと大分離れた演技が求められた森七奈ちゃんも良かった。

劇中劇があったりとか最後のまとめ方とか、見せ方に光る部分は色々あったのでちょっと勿体なかったですね。

日本映画も、こういう感動ものでバックバジェットの作品が作れるようになったというのは素晴らしいこと。
今後より良いものが観れると良いなぁと思います。

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