不条理系ミステリーの佳作。映画「ザ・ウォッチャーズ」感想
いかにもM・ナイト・シャマランが絡んでそうな作品だなーと思ったんですけど、これ原作小説があるんですね。それが一番びっくりした。
色んな不条理系サスペンスのミックス
シャマラン監督といえば、これまでも結構理不尽系の作品を出しています。
「アンブレイカブル」(2000〜)シリーズ、「サイン」(2002)「ヴィレッジ」(2004)「オールド」(2021)等…
本作は、娘がそれらの要素を足し合わせてような作品。
しかも悪い意味じゃなく、中々綺麗かつ納得感のある感じにまとまっています。
書きながら思いましたが、この作品は展開がぶっ飛び過ぎて感想が難しいですね。笑
現代を皮肉る演出が印象的
主人公たちはガラス張りの部屋で何者かに監視される日々を送りますが、その中でミナが生活の中で恋愛リアリティショーを観るシーンが印象的です。
言ってしまえば、アレは主人公たちが置かれているシチュエーションと似ていますからね。
原作小説にもあのシーンがあるかどうかは知りませんが、非常に面白い演出だと思いました。
こういう作風にしては綺麗に落としたのが好印象
こういう不条理系の作品って、最後らへんに展開が無茶苦茶になって「はあ?」ってなって終わることも多いと思うんですけども。
本作は原作があって筋書きがしっかりしていることもあってか、終盤まで目を引く展開が続くかも関わらず腑に落ちないところがあまりありません。
主人公のミナが脱出を通して過去のトラウマから解放されていくというテーマもちゃんと一貫しているので、観ていて気持ち良い。
設定的にクローズドな空間で終盤までいくのかと思いきや、中盤で脱出自体は成功しちゃうという意表を突いた展開にも惹かれましたね。
全体を通し、中々良い仕上がりの作品でした。
ぶっちゃけ、あんまり期待値が高くなかったっていうのもありますが。
これ系のジャンルである程度納得感を持って終われるってだけでも、結構すごい気がします。笑