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細けえことは忘れて観ろ!「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019)
今日テレビ初放送とのことで。
「アラジン」といい、そんな作品についてばっかり感想書いてるな。
っていうか、吹き替えの田中圭が田中圭過ぎない?
STORY:
「ゴジラ」(2014)の5年後、巨大怪獣の存在およびそれまで極秘に怪獣の調査を行ってきた秘密機関「モナーク」の存在が公になり、世界各地で休眠状態の怪獣=タイタンが次々と発見されるようになる。
中国・雲南省にあるモナークの基地内で、科学者エマ・ラッセル博士と娘のマディソンらが孵化したモスラの幼虫との交信を試み、モスラの制御に成功。
しかしそこを環境テロリストであるアラン・ジョナが襲撃、エマとマディソンの身柄と共に怪獣と交信する装置"オルカ"を強奪する。
モナークの科学者・芹沢猪四郎博士らは雲南省で起こった事件の知らせを聞き元モナークのメンバーでエマと別居状態だった夫マークに協力を要請、攫われた二人を救出するため力を合わせることになる。
ジョナ達の目的は南極の氷塊に眠る怪獣モンスター・ゼロ=キングギドラを目覚めさせることだった。
必死に阻止しようとするマーク達だったが、エマは彼の目の前で氷塊に仕掛けられた爆弾の起爆装置を押し、ギドラが復活してしまう。
そこに、ギドラを目指していたゴジラも出現。その後、ラドンやモスラも出現し、地球最大の激闘が幕を開ける。
という風にあらすじをまとめてみたものの…この映画、驚くほど感想が出てこないんですよ。笑
じゃあレビューの記事上げるなや、って話になってくるのでちゃんと書きますが。
で、感想が出てこないってことはつまらないの?って聞かれるとそんな音は全然なくて。むしろ、清く正しく怪獣映画しててかなり面白いんですよ。
怪獣登場シーンは文句のつけようのない迫力
まず、怪獣の造形自体が非常に良くできている。
前作と同じくちょっとゴジラは太り過ぎな気がしなくもないけど、ギドラとラドンのデザイン・面構えは完璧。
虫っぽさを強調したモスラも個人的には許容範囲。
今の技術でモスラやラドンを見るとこんなに迫力あるのかと、当時劇場で震えました。
ラドン登場シーンの絶望感、モスラ成虫が出現するシーンの美しさはある種エポックメイキングといっても過言ではないです。
主役のゴジラ、ヴィランであるキングギドラの描写も同様。
ギドラの首の動きなんかはスーツで再現できる限界を超えているなと感じました。
2体が激突するシーンの迫力も凄まじく、まさに龍虎相見えるといった様相。
すごいのは、スピード感溢れるヌルヌルの動きなのにちゃんと大きさ感が伝わってくること。
ハリウッドのCG技術の高さがまざまざと見えました。
製作陣から溢れるゴジラ愛
他にも、作っているスタッフがゴジラ愛、特撮愛に溢れているのが伝わってくる設定が盛りだくさんで。
例えば、キングギドラの"モンスター・ゼロ"というコードネームは『怪獣大戦争』(1960)でX星人がギドラにつけた呼び名だったり。
ゴジラ・モスラ・ラドンが出現した近辺にあるモナーク基地のナンバーがそれぞれの初登場映画が公開された西暦下二桁と一致(54、61、56)してたり。
中盤で"オキシジェン・デストロイヤー"が登場したところなんて感動しちゃったよ。ギドラには全く効いてなかったけど。
人間ドラマは描写不足より、単純にエマがヤバすぎるのが問題
この作品について、色んなレビューで散々言われているのが人間ドラマの描写不足。
ただ、個人的にはこれだけ怪獣でドンパチやってくれれば人間ドラマなんていらないと思っていて。
これは、大体の特撮ファンが同意してくれるんじゃないんだろうか。
怪獣オンリーでも押し切れるぐらいの画力があるし、人間ドラマが弱くても全然気にならないんですよ。
そもそも、1本の映画の中にゴジラ・モスラ・ラドン・そしてキングギドラを出す時点でそこまで人間ドラマを掘り下げられるはずがなく。
問題は、主要人物であるエマの人間性が致命的にヤバいことにあるんじゃないだろうか。
人間ドラマに分厚さなんて求めていないが、彼女の行動がトチ狂い過ぎて怪獣プロレスにさえ影響を及ぼしているのは問題。
映画本編を見てもらえばわかりますが、こいつはモンスターです。
なんならタイトルの「キング・オブ・モンスターズ」はこいつを指してるんじゃないのか?というレベル。
好き勝手な理論を並べ立てて眠ってる怪獣を起こしていくわけですが、それで無茶苦茶になった状況を見て「こんなはずでは…」とか言っちゃう。
大体お前のせいだよ、と言いたくなる。
ただ、彼女の存在だけ排除すれば全力で楽しめる映画なんですよね。
渡辺謙演じる芹沢博士の大往生っぷりも結構好きだし。
ということで、この映画を観るときは余計なこと考えずバカになることをお勧めします。