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スターバックスのコーヒーセッションに参加したら、果てしなく浮いた話【前編】

世知辛いぜ!

少し前になるんですが、中目黒にあるSTARBUCKS RESERVE(R) ROASTERY TOKYOに行きまして。
そこで行われている「コーヒーセッション」というものに参加してきました。

僕は、コーヒー自体は好きなんですけど全く知識はなくて。
単純にカフェでゆったりするのが好きなだけなんですよ。

そんな状態なんでコーヒーのイベントに参加するなんて考えもしなかったんですが、友達に声をかけられて参加することに。
まあ、要は暇だったんですね。

行くことに決定したものの、どんなイベントなのかまったくわからなかった(じゃあ行くなよ)のでネットで調べてみると。

申し込みフォーム

いやいやいや。
情報少ないって。

この説明じゃ、なんのこっちゃ分からん。
なんだ世界中を旅するって。
ということで、申し込んでくれた友達にLINEしてみた。

「これって、具体的には何をするの?」

「俺もわからん」

分からんのかい。

とりあえず、当日は9時半からのコーヒーセッションしかなかったので朝の8時半に中目黒に集合(早い)。

二人ともイマイチ内容を把握しないまま駅から10分程歩くと、STARBUCKS RESERVE(R) ROASTERY TOKYOに到着。

入り口に入ると、巨大なロースターがある
吹き抜けで、ビビるほど広い

なんだかよく分かりませんが、オシャレな空間にオシャレな人がいっぱいいました。
写真はなるべく人が写ってないものを選んだなので伝わらないかもしれませんが基本激混みで、店内の椅子はほぼ満席。
朝の8時半のカフェがこんなに混んでいるのってヤバくないか。みんな朝活の朝練でもやってんのか?
僕の実家の近くである京都の片田舎だと、8時半から営業してるのなんてコンビニとスーパーぐらいだぞ。

会場は最上階とのことで、お互いの写真を撮りながら階段を上がる僕ら。
今年34歳同士とは思えない幼き行動。

そして、いよいよ会場に到着。
すると、テーブルの上にマイクとコーヒーの試飲キットみたいなものが。

なんだこれ?
僕らが目を見合わせて戸惑っていると、爽やかな笑顔を浮かべたイケメンの店員さんが僕らに話しかけてきた。

「おはようございます!
 お席に座ってお待ちください。
 マイクは、自己紹介とかディスカッションの時に使います」

え。怖い怖い怖い。
どういうことですか?
ディスカッションがあるんですか?
自己紹介とかディスカッションとか、就活の時以来なんですけど。

というか、何をディスカッションするの?
「この豆はバングラデッシュ産で深みがあって〜」みたいなこと言わなきゃいけないの?
バングラデッシュがどこかもわかってないんだけど。

そんなことを考えていると、スタッフさんが波状攻撃を仕掛けてきた。

「置いてある紙に、ニックネームと好きなコーヒーをお書きください」

…好きなコーヒー?
…好きなコーヒー??

いや、分からん分からん。
コーヒーはコーヒーでしかない。
もちろん、店によって苦みとか酸っぱさに違いがあるのは分かるけど。
銘柄とか産地とか、まったく分からん。

すると、割と迷いなくペンを進めている僕の友達。
マジかコイツ。
さすが、腐ってもコーヒーセッションに誘ってきただけのことはあるな。
彼の手元を覗くと、きったねえ字でこう書いてあった。

『仕事中に飲むコーヒー』


シチュエーションかよ!
期待した僕がアホだった。

しかしながら、こいつがこう出るならありがたい。
遠慮なく乗っからせてもらおう。

僕は、『運動後に飲むコーヒー』と書いた。
これでお茶は濁せそうだから、後はニックネームだな。

感覚が分からなかった僕らは、とりあえず自分の苗字に『くん』を付けて書いた。
こうして、僕の手元には『oilくん』『運動後に飲むコーヒー』と書かれたとてもコーヒー好きとは思えない小学生みたいな名札が爆誕した。

僕らは参加者の中で一番最初に到着したようなので、あとは待つのみ。

…なんだ、この緊張感は。
若い頃めちゃくちゃ行った街コンを思い出すぞ。

ドキドキを抱えていると、僕らの前に恰幅の良い50代と思わしき男性が座った。なんだか、社会的地位が高そうな雰囲気である。
というか、休日の朝から中目黒のスタバのコーヒーセッションに参加する50代は多分社会的地位が高い気がする。
しかしながら、やはり客層が街コンとは違うようだ。当たり前か。

ちょっと残念とは思ったが、僕らは訓練された社会人なのでちゃんと挨拶した。
すると、向こうも笑顔で会釈を返してくれる。優しい世界。

「このイベントは初めてですか?」

穏やかな口調でそう話しかけてくれた。
あー、優しそうで良かった。
第一印象で『圧迫面接してそうだな』とか思ってごめん。

「はい。
 ただ、コーヒーのことあんまり知らなくて。
 大丈夫かなーって」

場を和ませようとちょっと喋ってみると、おじさんは穏やか笑顔を浮かべた。

「そういう人が来てくれた方が、僕らは嬉しいよ。
 よりコーヒーの奥深さを知ってほしいからね」

あれ?この人スタバの回し者ですか?
なんかいちいち発言がカッケーな。
コーヒーマイスターって感じだ。

そして、彼は迷うことなく白紙に自分の好きなコーヒーを書いた。

『コロンビア』

産地で書くタイプの人じゃん!
ガチ勢じゃん。マジかよ。怖いよ。

「ところで、あだ名に”くん”をつける流れなの?」

おじさんが僕らに質問してくる。
この人、流れまで読もうとしている。
「アメトーーーーク」とかでリーダーやるタイプの人だな。

僕らが「そうですね」的なことを言うと、彼は少し悩んだ後こう書いた。

「徳さん」

間違いなく、隣にいた友人がちょっと笑ったのを誤魔化した。僕もギリギリだった。
それぐらい、徳さんは改めて見ると徳光アナウンサーに似てた(あくまで似てるだけの別人です)。
僕の頭の中ではもう「サライ」が流れてたし、エド・はるみがゴールしかけていた(古い)。

しかしながら、くん付けの流れをここまで確認してフリを作ってからのさん付け、しかも徳光は反則である。

しかし、驚くのはまだ早かった。
次に現れたのは、上下ギンガムチェックセットアップで膝上丈の短パン、ブーツを履いてハットを被ったガリガリのおじいちゃんだった。
千鳥のノブだったら、現れた瞬間に20回はツッコミを入れていると思う。

おいおい、更にすげえ人が来たよ。
しかし、何回も言うけど我々も訓練された社会人。
これぐらいの驚きでは微動だにしないのである。

「この紙に、今日のニックネームと好きなコーヒーを書くんですよ」

徳さんがおじいさんに説明している。
さすがアナウンサーだ。

すると、おじいさんはサラサラと文字を書いた。

好きなコーヒーは「キリマンジャロ」、あだ名は「ヨハネ」

…嘘だろ?
イエス・キリストの弟子じゃん。
まさかスタバでキリストの弟子に会えるとはなあ。

アホなことばっかり書いてたらだ大分長くなってしまったので、コーヒーセッション本編は後編で。次回に続く。

後編はこちらから。


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