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伝える創作には、「音感」が宿る

スポーツに関心のない私が見た『スポーツ実況という創作』。見たきっかけは、レポーターだからというのを超えて、公式noteのページの文言だった。

創作には色々な形があります。テキスト、音声、イラスト、漫画などなど。その中でスポーツ実況も一つの創作ではないかと感じたことが、この企画のスタートでした。

そっか、創作なのか、と思った。なんか腑に落ちたので、見てみることにした。登壇者は、フリーアナウンサーの倉敷保雄さん下田恒幸さん。面食らうほど勉強になった。正直ナメてました。ごめんなさい。以下、必死でまとめた内容です。


スポーツ実況という創作

まずは実況の定義の確認からセッションが始まる。ただ、お二人の心地よい掛け合いの中で最初の定義がどんどんアップデートされていく。聞き終わった今、こういうことかな、と振り返ると下のようになる。

実況とは、目の前で起こっている振る舞いの機微を描写すること


目の前で起こっている状況を、「1秒でも認識できないとパニックに陥ってしまう」というスリリングな世界。常に予測をすることで、過去にリサーチした内容をベストタイミングで入れ込める。一見すると反射的な即興だが、多様な経験や知識と鋭い感覚に裏打ちされた、極めて精度の高い反射的な計算であった。


伝える創作には、「音感」が宿る

セッション中、終始レポーターが感動していたのは、聞き取りやすさと言葉選びだった。比喩やリズムやお互いのたて方まで。喋り慣れてるお二方とはいえ、聞き惚れる対話だった。「創作にあたってのアドバイス」という核心に迫る質問に、パンチラインでパンチを食らった。

音感が大事なんですよ

倉敷さんは言った。実況はその試合を観戦するためのガイドになる。ミスリードしない、試合に呼応した実況をするために、「プロミネンス」が重要になるという。注目すべき場面を確実に伝えるために、声の起伏や速度、文の長さやリズムを調整する。こうした「音感」「リズム感」がはまることで、観客が試合に引き込まれる。そう話すお二方に、私は引き込まれた。

下田さんの実況にはね、最後の盛り上がりに「カタルシス」が待っているんですよ。

目に見えぬ速さでパンチラインを飛ばすお二方。実況で鍛え上げられた鋭い言語感覚は、「新聞で取り上げられたい」という思いからだそう。特に下田さんはスポーツ新聞記者に憧れていたのだとか。想像を膨らませて思わずつぶやきました。

圧巻して「凄い」しか言えなかった私。画面の向こうの下田さんが続ける。こうした反射的な「創作」も、場数ですね、と一言。

とにかく現場に行って、ICレコーダーに吹き込んで、家に帰って聞いて落ち込んで、上司に見せて笑われて。その繰り返しです。(引用者編集済み)


プロにもそんな時があったんだよなぁ。ぼんやりと安心感が浮かんできて、それから、気を引き締めた。来年、創作大賞2022があるらしいよ。負けてらんないよ。



☺︎ 本記事のインスピレーション

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