家事のコツいくつ言えるかな#5:確認は「絶対やること」とセットにする―望ましい習慣作り―
柚木ロマです。
なんか、可哀そうでしかたない話を見てしまいました。
自分事のようなので、何か解決策を考えてみたいと思います。
これ、19歳の娘さんの気持ち、めっちゃわかります。
いわゆる反抗期ですよね。
「親の言うことなんか素直にきけるわけがねぇ!」
って感じになってる。
こうした心境の背景には「自分はできないことが多すぎる!」という絶望があります。そしてこの絶望が
「できない自分にもできること、むしろ自分にしかできないことは何だろう?」
という問いにつながり、さらに「口うるさい親元から離れて自立したい」という思いが、
「どうやってお金を稼ごう?」=「何を仕事にすればいいんだろう?」
につながって、葛藤を乗り越え2つの問いに答えを出すことができれば、はれて精神的・経済的自立を果たすことができるわけです。
親子関係でいえば、娘さんはさっさと就職して親を捨てるのが正解な気がしますね。
私は娘さんが可哀想で可哀想で。
そもそもです、娘さんはシャワーの取扱いのミスをちゃんと「悪いことだと思っている」んです。
自分で悪いことをしたと思って、自分を責めている中でさらに親からも強い調子で責められたらたまったもんじゃないです。そりゃ逆切れもしますよ。
問題は注意力が乏しいこと。
何度も繰り返すというのは、「悪いことだと思ってない」「反省していない」からではなく「注意力が乏しいこと」。これだけ。
意思や気持ちの問題じゃないんですね。
ただでさえ落ち着いて行動できない心理状態に拍車をかけるのは、「親が(事情わからず理解もせず)一方的に責めてくる」という事実です。
たぶんADHD(注意欠陥多動性障害)じゃないかと思います。
障害まではいかなくても、注意欠陥っぽい傾向があるというそんな気がします。私もそうなので、すごくわかります。
忘れ物、落とし物、やらなきゃいけないことが中途半端になる、間違った手続きをする、確認漏れ、細かい失敗が繰り返されて塵積(チリツモ)って感じ。
これは脳の傾向なので、治らないです。
病気じゃないから治療なんてできない。
意思の問題でもないから、注意したってできるようにはならない。
じゃ、どうするのか?
それはただひたすら工夫あるのみ!
近視(近眼)の人が、遠くやあるいは手元すら見えないときに頼るのは「眼鏡・コンタクトレンズ」です。
もし視力矯正器具がなかったら、近視だって立派な障害ですよ。
だって、見えないんだもの。
意思や根性でどうにかなるものでもない。
一度眼球が変形してしまったら(※)治療もできません。
「近視になったら眼鏡をかける」ということは妥当な選択肢。
特殊な事情がないかぎり(※3)度数を調整した眼鏡をかければ「見えない」という困りごとは解消するでしょう。
「努力と根性、心の力で見えるようにする」のはたぶん、失敗する方法です。
これと同じように、「注意力の乏しさ」も根治するのは無理でも、工夫をすることによって困りごとを回避することができると思います。
さて、前置きが長くなりました。
「注意力が乏しい」そんな人に必要なメソッドは、
「事後に確認する」癖をつけることです。
いや、そんなことができたら苦労はしないんだよね。
と、私も思います。いくら癖にしようと思っても、「確認する」ことはよく忘れます。
忘れる頻度がだんだん減るかな?ということはあっても、「いつでも絶対確認する」とはならないのが、注意欠陥人の辛いところ。
一度習慣化したり癖づけたりしたら、絶対に忘れないという人も世の中にはいるので、羨ましい限りです。
それでも、「確認する」癖が手に入らなくても、方法はあります♪
それは、、、
確認作業を「絶対にやること」(自然にやること)とセットにする
ということです。
具体的には?
「シャワーヘッドのスイッチをオフにしたら元栓を閉め忘れる」
という今回の事例の場合、こんな方法が考えられます。
一番有力なのは
「体を拭いた後のタオルを浴室内に干す」
ほかには、
「体を拭いた後、浴室の窓を閉める」
「体を拭いた後、浴室の床を拭く」
「体を拭いた後、浴室から椅子を出す」
など。
「一度浴室にもどって作業する」ことを決めると、戻った時にシャワーの元栓が閉まっていなかったら絶対に気づきますから。
一番自然な流れなのは、体を拭いた後にタオルをどっかに置く必要があるので、その置き場所を浴室内にするということです。
洗濯カゴにいれるのか、浴室の扉にかけるのか、物干しに干しておくのか、体を拭いたタオルをどうするかは家庭により違うとは思いますが、この場合は一時的な使用済みタオル置き場を「浴室内」に設定してしまうことです。
浴室乾燥機が付いていれば、洗濯もの干しがあると思うのでそこに吊るすか、なければ浴室壁面にフックをつけてハンガーにかけたタオルを吊るすのでもよいと思います。
それは浴室の設備との相談になりますが、あまり難しくない形で設置場所は作れるのではないかと思います。
「使用済タオルを浴室に干す」と決めた場合には、使用済タオルを浴室に干し忘れた場合にはどうなるかというと、足元とか脱衣場の変な場所にタオルがバサっと置かれるので、さすがにうっかりな人でもそれが目に入れば「タオルを正しいところに置いてない!」というのは気が付くと思います。
良く目立つ色の派手なタオルがよいかもしれませんね。
タオルを拾って浴室に入ってタオルかけにかけたら、当然シャワーが目に入り、水が出ていることも床が濡れているのでわかり、結果として「シャワーの元栓を閉めたかどうか確認する」ことになります。
この、「何かをやった結果として確認する」という状態に持って行くことがとても重要です。
ここが知恵の絞りどころ、頭のひねりどころですね。
「何かをやった結果」の「何か」の部分に、「絶対にやること(自然にやらざるを得ないこと)」が入れば、確認実施率100%を達成するのは簡単です。
日本の家庭で、シャワーを浴びた後に体を拭かないということはまずないでしょうし、体を拭いたタオルをずーっと大事に持ったまま脱衣所を出ることもまずまず少ないのではないでしょうか。
濡れた髪に体を拭いたタオルを巻く人もいるかもしれませんが、その場合には体を拭くタオルと髪を巻くタオルは分ける必要があるかもしれません。
タオルは体用と髪用に分けたほうが髪も早く乾くので、その点からいってもも分けたほうがいいと思います。
ということで長くなりましたが、まとめましょう。
まとめ
1.日常の「うっかり忘れてた!間違った!」を防ぐ方略として、「事後に確認する」ことをしましょう。
2.「事後確認する」を忘れないために、「絶対にやること」・「自然に発生するやらなければならないこと」と「事後に確認する」こととを結び付けましょう。
以上で、なんとなくやっていってても、失敗をする数を減らすことができます。
今回の事例で取り上げた娘さんのスムーズな自立を願ってやみません。
本来なら、大人である親たちが娘さんの「困りごと」に耳を傾け知恵を貸すことで、「たとえ上手くできないことがあっても、考えて工夫すれば対応できるし乗り越えられるんだ」という実感と自信を持たせてあげるべきではないかと思うのですが、知恵やら工夫やらあまり思い浮かばない人もいるのでそれはそれで仕方がないとは思います。
それでは、今日はここまで。
長くなりましたが、読んでくださってありがとうございました。
よい一日になりますように☆彡
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