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焦点距離の使い方と「ライカの写真術」の読書感想文

焦点距離の使い方について、実体験とお得意の読書から、各焦点の使い方をまとめてみます。

一番最初の一眼レフは、祖父からもらった、キャノンでした。50mm単焦点が付いていました。

長らく使って、毎日持ち歩けるコンパクトなカメラが欲しくなり、何も調べず、当時流行っていたビックミニを購入します。35mmでした。その後、初代デジタルGRを入手します。ご存知の通り28mmですね。

その後、商品撮りを初めて、ニコンのデジタル一眼レフと60mmを購入します。APS-Cだったので、90mmですね。レンズは一本しか持ってなかったので、しばらく90mmを使い続けます。

そして、GRにワイコンをつけるのが、自分の中で流行ります。21mmです。

これで、20年近く掛けて、50-35-28-90-21と使ってきました。

さて、それぞれの焦点距離の特徴を私の好きな、内田ユキオさんの「ライカの写真術」から、引用します。
この本は、いつかはライカと思って、ライカを持ってもいないのに、ずっと昔に購入して、穴のあくほど読んだ本です。この人は文章もうまい「ライカとモノクロの日々」もおすすめです。

本の中から、気になった言葉(文章)を引用しています。「 」の部分です。
「→」は、私の感想です。

21mm
「背景が大きく入ってしまうし、角度によっては、歪みが大きく、その扱いは楽ではない」「超広角レンズの扱いの難しさは、撮った人のセンスよりレンズの個性が目立ってしまいやすいことにある。」「何も見てもかっこよくみえて、大して何も考えないままにそのままシャッターを切って傑作をものにした気持ちでいる。仕上がりを見ると、思ったほど迫力がないことに気づく」

28mm
「勢いのあるフレーミングを意識してとると良い。「人の視野に近いために、見えているものをほとんど映しこむことができる」「手前に大きくポイントを作って、広角レンズ特有の遠近感を利用すると構図がまとめやすい」

→前述の言葉を逆に読めば、広角の特性をよく考えないと難しいということです。広角レンズは、使いこなしが非常に難しいです。
よっぽど大口径の広角でないと、ボケも生かせないので、なんでものっぺり、小さく写って何を撮っているのかわからない。逆にいえば、この辺の画角が使いこなせたら、写真があっという間に上達すると思います。つまらない写真を連発するので、どうしたら、もっと印象的に、使えるかを考えて、工夫して行くからです。光の当たり方、主題、副題、背景をしっかり配置して、アングルを工夫して、撮ることが必要になっていきます。写真上達ギブスレンズです。使いこなすのが難しい=使いこなせる人はうまい

35mm
「最も自然な写真が撮れる」「28mmほど作られた感じかしないし、50mmほどとった人の意図が主張してこない。そう言ったさりげなさが35mmの最大の特徴なのだ」
50mm
「よく言えば万能だが、使いこなしに苦労するかも」「広角のようにも望遠のようにも使えると言われるが、50mmの特徴はあくまでその自然さである。それは、出汁と素材の味だけで勝負する料理のようなものだ」

→標準レンズですね。基本中の基本レンズだと思っております。この辺があれば、写真の8割は撮ることが撮れると思います。この辺が頭に入っていると、広角は、ここからこのくらい大きく、望遠は、もうちょっと狭くと考えることができます。この焦点距離で各1万枚くらいシャッター切りたいものです。広角とは違う意味で、普通の写真になりがちです。ただ、特に50mmは、明るいレンズが安く手に入るので、開放気味に撮れば、結構印象的に撮れます。キットズームを使っている人は、ここに乗り換えるだけで、写真の楽しさがぐっと増します。そして、走り回ったり、アングルを工夫すれば、いろいろ使えます。トップの画像は、50mmです。

90mm
「もしも28ミリが短編小説だとしたら、90mmは俳句に似ているかもしれない。余計なものをギリギリまで削いでいって、数少ない要素だけで一つの状況の持っている意味を訴えかける」

→望遠域は、独特の圧縮効果や歪みのない画像、大きなボケと、被写体を際立たせることができます。ザ、一眼という写真が撮れるので、写真がさらに楽しくなるレンズです。でもなれないと、えっ近い。もっと離れないとと言って、ファインダーを見るたびに、後ろにズルズル下がって行くという変な撮り方になります。もう思い切って、その場で良さそうなところを切り取って見るといいかもしれないです。そうこうしているうちにどのくらいの範囲が写るのかわかってくると思います。

私の現在のレンズ使用方法。

原則、ボディ一台につき、単焦点一本をつける。ズームは使わない。
そして、場面に応じて、3種類のセットを組みます。

1、一番多い基本パターン。何があるかわからないけど、写真は撮るというとき。つまり日常。
基本50mmなので、50mmのついたカメラとGR(28mm)

2、室内が多かったり、被写体との距離が近いと予想されるとき。
35mmのついたカメラとGR(28mm)ただし、35mmがAFの場合は、GRを置いて行く。

3、旅行など、決まったイベント
GR(28mm)とワイコンセット(21mm)と50mmのついたカメラと90mm単焦点を持って行く。4画角をカバーします。

ズーム1本で済む画角であるけれども、私は迷ってしまってしょうがない。ここは、28がいいか、50がいいかな、いや85、、、、うーんと言いながら、ズームをくるくるさせているうちにシャッタータイミングはどこかに行ってしまう。

でも、85mmがついていたら、もうそういう風に撮るしかない。というか頭がそうなっている。ファインダー見る必要もない。構える前から、こう撮るっていうのが、見えているので。50mmでもそう。そして、止むを得ず接近戦になったら、GRをだす。28mm、全自動。つまり、GRは懐刀です。GRは365日持っています。

長刀の種類を敵とシュチュエーションによって、変化させています。
つまり、写真は、予測が中心です。写真を撮ることがあるだろうと、準備して行く。ここから始まります。薙刀や槍を持って、室内に入って行く人はいないと思います。

皆さんもお気に入りのパターンを見つけてみてください。

ズームレンズお使いの方は、撮る前に単焦点を持っていると思って、焦点距離を決めてとる方が面白いかもしれません。
意志の強い人は、ズーム向きだと思います。ここはこうと決めて撮れるのであれば、私のようにズームに振り回されることもないです。
そして、クルクルするだけで、画角が変わるなんてそんな便利なものはないです。そして、どんな重い大口径ズームレンズでも、カバーする距離の4本の単焦点より軽いか同等でしょう。

最後に、こう行った黄金パターンを持っているにも関わらず、レンズが欲しくなることがあります。
なぜなら、好きな距離は、思いが強く、描写が違うとか言い出すからです。
そして、気づいたら、50mmが沢山。好きな焦点距離は増えますのでご注意ください!

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