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=読書感想文= 続ける力 人の価値は、努力の量によって決まる 若田 光一

近所に新しく福岡市科学館ができました。宇宙が好きな息子は年パスを購入して、毎週末のように行っています。その帰りに、グッズショップでこの本を見かけて、入手しました。

ミニマリストと言いながら、結構モノが好きな私は、宇宙に行った時計、宇宙に行ったカメラとかそうエピソードに興味はあるのですが、宇宙そのものにそれほど興味を持っていませんでした。そのため、若田光一さんという宇宙飛行士がいることすら知りませんでした。私の世代で宇宙飛行士といえば、毛利さん。。。

そんな前知識のなさで読み始めましたが、これはいい本です。

現役宇宙飛行士は、特別な職業と思いがちですが、普通に企業で働くのと変わらない感じでした。組織やチームでの働き方のヒントや夢の見つけ方、その追い方など、とても勉強になる本でした。

中間管理職や経営者、リモートワークをやっている方におすすめです。もちろん、タイトルの通り、やっていることをなかなか継続できないという人にもおすすめです。

–この読書感想文の読み方–

本の中から、気になった言葉(文章)を引用しています。「 」の部分です。本を純粋に楽しみたい方は、ここを読まずに本を入手されてください。
「→」は、私の感想です。

読んだ人によってそれぞれ心に刺さるポイント、文章が違うと思います。
読んで見たいと思ったら、実際に読んで、再びこの文を読んでいただき、
私の着眼点との相違を楽しんでもらえれば幸いです。

そして、あなたの新しい発見や問題の解決のヒントになったら嬉しいです。

–スタート–

「人は誰しも完璧ではない。私も、これまでたくさんの失敗や挫折を経験してきた。しかし、そこでしっかり分析して、成長の糧にしてきたように思う。」

「自分自身にできるのは、前に進むか、留まるか、後退するかの三つだけだ。」
→人生には自分でコントロールできないことがとても多い。そうなったときに現実を受け入れ、この三つを選択する。

「結局のところ、人生で挑戦すべき相手は自分自身なのである。置かれた環境でどこまで頑張れたのかが、その人の評価に繋がるべきだと思う」

「真似ることは悪いことでも恥ずかしいことでもない。ただ、その中で自分らしさを出すこと、自らの価値観を行動で示していくことが大事だ。」

「致命的な失敗をしないためにはどうすればいいのか。その答えは、「想定外を少なくすること」だと思っている。」
→どんな職種、仕事にも通じることだと思います。徹底的に準備する!

「準備をすれば、未知の領域が既知のものとなり、不確定要素は減り、様々な状況に遭遇した時の対処法を事前に想定できるようになる。」

「大事故が起きる前には、その10倍以上の小さなトラブル、事故が発生しているものだ。だから大きなミスや問題を見過ごすことなく、その都度再発防止のための対策をコツコツ立てていく。それ以外王道はない。」

仲間、部下とのコミュニケーションについて

「データ見せて、どこがどうダメだったか説明するわけだが、単に悪いところを指摘するだけでは本人のためにならない。どこを、どのように改善すれば良いかも、具体的な実例を挙げて提案するようにした。」
→確かに部下や子供をやみくもに叱っても、次回改善される可能性は低いですね。

「限られた訓練の中でも徹底的に探りを入れる。」
→仲間の個性を限られた時間の中でつかんでいくことが、チームの士気を維持して、仕事のやりやすい環境を作り、結果チームのパフォーマンスが上がるというものでした。

感情のコントロール

「相手の言動に対して、感情的にならずに、どうして相手がこういうことを言ったりやったりするのかを考えなければならない。まず広い心で相手を受け入れ、ある種の寛容さで持ってコミュニケーションを密に取りながら、仲間の宇宙飛行における目標の実現う支援する」

「カッとした時にその感情をむき出しにして相手にぶつけるのは禁物だ。」「どんなに腹がたっても、二、三秒は考えてから発言したほうが良い」
→ここは難しい、最近ちょっと怒りっぽい。自他ともに認める温厚な性格だったのに、最近とても怒りっぽいし、イライラする。更年期?と思ってしまう。この感情のコントロールは課題です。

「伝えたいポイント、伝えなければならないポイントを整理して相手に伝える。」

「攻撃的な交信をしたらおしまいだと自分に言い聞かせ、強いストレスを感じている時でも、相手に敬意を払って接する姿勢を失わないように気をつけた。」

「押すところは押して、引くところは引く。このバランス感覚はとても重要だ。」「駆け引きを上手くするためには、相手の立場に立ち、相手が何を考え、何を欲しているか見極める状況判断が求められる。」

「個人の資質、技量、能力をきちんと把握しておくことだ。このような経験をさせると、ここが伸びるだろうという点を見極めた上で、新しい課題をあたえなくてはならない。」「相手の力量に対し、少し難しい課題を与えるよう気をつけている」
→素晴らしい上司ですね。自分を高めながらも、部下をここまで把握する。野球で言ったら、コーチ兼任選手です。

「自分の行動や発言には責任を持ちたい。だから、なぜそのようにしたかという説明はできるだけするように心がけている。」

ゴール、目標設定について

「自分の興味の対象をきちんと捉えて、これだったら頑張れる、頑張りたいなと思えることを見つけ、それに向かってとことん努力してきた。」

「明確なゴールを掲げ、それを実現するという目的意識を持って生きている。」

「自分の目標や夢を見つけられない人が多いと言われることがある。」「自分は一体、どういう人間なのだろうか」「自分は一体何が好きで、どんなことに興味を持っているのだろうか」とまずは自分自身を見つめ直して欲しいと思う。」

→最近、本当によく自分自身を見つめ直した方がいいという本に出会います。よっぽどお告げが出ているんですね。それはさておき、目標、ゴールの設定というのは大変重要ですね。

「努力が続かないのは、興味の対象、そして明確な目標が定まっていないからではないだろうか。好きで好きでたまらない、自分の人生をかけてやりたい、ということが見つかれば、人間はそれに向かって挑み続けることができる。」

「努力すれば達成できそうな、現在の自分の力よりちょっとだけ高い目標を設定するのを意識してきた。だからと言って、無難な道ばかりを選んできたとは思っていない。成功できる自信がなくても、とにかくやってみようというチャレンジ精神で乗り越えてきた壁もある。」

「自分に今できることを確実かつ直ちにやるようにしている。やると決めたら、何としても遣り抜く、そして、できないことをくよくよ悩むよりも、できることをどんどん広げていったほうがいいと思っている。」

「今、自分にできることを見極める。そして、その限界の少し上を目指して努力を続ける。すると、今すぐはできないとしても、一年、三年、あるいは十年後にはできるかもしれない。」

→この辺は確かにありがちですね。目標設定は、意外と最初は意気込んでいるので、高い目標をセットし過ぎてしまって、挫折することが大きいと思います。

「1日1日をきちんと生き抜くこと、悔いのない毎日を過ごすことが、私の目標である。」

「これは無理だなと思ったら、嘘をついたり、ごまかしたりしない。きちんと理由を言ってギブアップするようにしている。できないことをできるというのは、相手に失礼だと思うからである。」

想定外に備える、もしくは、想定外というものをそもそもなくす

「英語に、Trust, but verify.」という表現がある。いくら周りが大丈夫だといっても完全に信用しないで、自分で安全を確認する習慣をつけるべきだ。」

「万が一に備えて訓練したり、心構えをしたりしておくだけでも、適切な初動を取ることができ、自分を守れる可能性が高くなると思う。」

「経験を積むことも重要だ。」「初めてのことをするときはドキドキする。」「だが何事も経験である。」

語学学習について

「語学習得に近道はない。文法を覚えて、語彙を増やし、慣用表現をマスターするしかない。」

「聞く力は、ネイティブの普通の会話を問題なく理解できるよう、ラジオや映画、テレビ番組などで口語表現を聞いて養うことが効果的だろう。」

「子供は文法や単語がわからなくても、周りの人が話しているのを何度も聞いて、どのような時にどのような表現をするのかを自然と覚えていく。それと同じで、頭の中に入れるためには反復したないと思う。」

「何のために語学を勉強するのかという目的意識をしっかり持ち、絶対に話せるようになってやるという強い気持ちで努力する。」

「私は、ビジュアルで頭に入れていくタイプだ。語彙については、英字新聞を読んで、わからない単語が出てくると辞書で調べ、書いて覚えるようにしていった。英語表現は、映画の音声だけを録音して繰り返し聞き、その中のセリフを実際に使って覚えた。ひたすら反復して、頭と口に英語を叩き込んだ。」

→英語学習は数々挫折して、一応日常会話程度は話せるもののそこから先に行けない状態です。合う勉強法を見つけることができていないというのもありますが、そもそもなんで英語をやりたいのか、話せるようになったらどうしいのかというものがないと、続かないですね。ここから考え直したいと思います。

「私は常に、明確な目標を持って挑戦し続けることが、ゴールに到達するために不可欠だと思って生きてきた。

→素晴らしい。自分自身を見直して、明確な目標をセットしたいと思います。

以上心に残った言葉でした。

文章だけ読むと、目標に向かって全く努力を惜しまない努力家の若田さん。自分にできるかなと思うこともあります。でも若田さんは、これだけのことを常にやって、難関を何度も突破して、ものすごい狭き門の宇宙飛行士になったわけですから、逆に考えたら、この10分の一でも参考にして、日々に取り入れれば、日常生活や日々の仕事に活かせないわけがないです。とにかく、この本に書いある若田さんがいいと言ったことを少しずつでもやってみることが大事かと思いました。

それにしても目標のセットの仕方、中間管理職としての意識、仕事術、その上語学学習まで、内容の濃い本でした。

そして、宇宙の魅力や地球の大切さを子供から大人まで、宇宙から発信しているだけあって、シンプルにわかりやすく、そして力強くメッセージを書くことができる素晴らしい人ですね。おすすめです。


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