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映像をインスタにあげたくなる美しい映画〜陰陽師0

夢枕獏さんの「陰陽師」シリーズ大好きです。
なのでしっかり見てきました。
そして、とても良かったです✨

まず、映像が美しい。
京都の瑠璃光院のような美しい世界で奏でられる箏と龍笛。
寝殿造の庭に池に突き出た釣り殿で酒を酌み交わす様子が、静止画面にしてずっと見ていたいほど、雅で美しい。
部屋の床に散りばめられた花びらを着物の裾で攫っていく優雅さや、陰陽寮の書庫的な場所で一人書物を読む山崎賢人の晴明の美しさにため息。

多分「陰陽師」と言うと、野村萬斎さんの作品を思い浮かべる方が多いかと思いますが、そちらの作品のイメージで見にいかれてしまうと、おや?と思うかもしれません。

呪(しゅ)を飛ばしたり術をかけ合ったりするような、魔法の世界的な雰囲気ではなく、「呪は人の心を惑わせて思い込みを起こしているものだ」などとはっきり言っていましたし。
でも実は目に見えない力もあるのだよと、最後に魅せてもくれます。
なので物語としても決して悪くはないんじゃないかと私は思いました。

ですが、野村萬斎さんの作品をイメージしていかれた方は、思ってたのと違うと感じるかもしれません。

どちらにしても、山﨑賢人は美しく、まるでInstagramの美しい写真集を見ているかのように次々変わる映像も美しくて。
ストーリーはまぁ置いておいて(それも面白かったですよ。) 染谷くんはじめ、役者の皆さんがとても演技が上手だったので、充分見る値はあります。

原作にはないオリジナルストーリーということで。
原作は一緒でも、色々違ってみんないいなのですよ😊

ストーリーはさておき(さておくな)、
キッパリ「潜在意識」と「顕在意識」というワードが何度も出てきまして。
陰陽師の世界観である「呪」と「呪」のぶつかり合いの戦いとか、式神を使ってあれやこれやして戦うとか、結界を地面に書いてぇなどなど。そんなシーンもありましたが。
それよりも、「必ず○○になると信じる力」や感情にとらわれずたんたんと「事実」を見極める冷静さが問われるんだ!
と。
時々、キングダムやゴールデンカムイ感が出ていたとしても(所作が平安人というより、キングダムの戦士だっけ?となってしまったように感じました)、山崎賢人はその存在だけで、全てよし!とさせてしまう美しさがある(主観の問題?笑)

物語も普通によかったし。
陰陽師や陰陽寮のことをわかりやすく教えてくれていたし。
新しい解釈の陰陽師の世界観もよかったし。
私のオススメポイントとしては、平安時代の建物とか、そこで暮らしていた様子とか日常がしっかりと描写されていたことです。

平安時代の建物は寝殿造で壁がなく、庭と一体化する概念のもと景色の中で食事をしたりしていました。
池の上に浮かべた「釣り殿」と呼ばれる建物があるのですが。
その釣り殿から月などを眺めながら、お酒を飲んだり食事をしたりというのが、普通のことでした。
今でいう、雰囲気の良い居酒屋でお酒を飲んでいる気持ちなんでしょうかね。

そういったシーンが何度も出てきて。
部屋の中で話をするのではなくて、釣り殿で酒宴をしているところがとても良いと思いました。

平安時代の物語が映像化される事はあまり無いので、今年の大河ドラマにしても、この「陰陽師0」にしても、時代考証をされて作られているのよね、と喜びを感じます。

平安時代大好きな私としましては、その時代の貴重な歴史的映像を見せていただき、その時代に自分もいたような気分が味わえて、とても幸せでございました。

続編ありそうな雰囲気だったから、なんとか制作して欲しいなぁ。
(私は好きです😆)

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