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【今日読んだ本】歩く江戸の旅人たち スポーツ史から見た「お伊勢巡り」(谷釜尋徳著)

読書記録として。

ストーリー

『総歩行距離2000キロ以上にもおよぶ、老若男女が毎日歩き続ける伊勢神宮への旅は、どのようにして可能となったのでしょうか。
旅のルートと歩行距離を割り出し、徒歩での旅を可能とした旅人の身体技法や装い、健脚を支えた街道の交通インフラやマナー、旅の家計簿などから、江戸の庶民に愛された「お伊勢参り」の旅をひも解きます。』
(Amazonのサイト内本の概要より)

書き出し

長距離を徒歩で移動した旅人は、どのくらいのペース配分で日々の道中を歩いていたのでしょうか。近世旅行史をスポーツ史の視点から分析しようとすると、こうした歩行能力の問題が浮かび上ってきます。

感想(メモ)

伊勢参拝の旅からかつての旅人について検証しています。

例えば東北の庶民(男女)の書き残した旅日記より、日付と地名を拾います。
そこから一日平均どれくらい歩いているのかを調べています。

東北の人々のルートは大きく三つあると伝えます。

❶近畿周回型
在地から奥州道中に合流し日光に参拝して江戸は向かう。そこから東海道と伊勢参宮道経由で参拝を果たすと、熊野、高野山、奈良,大阪、京都を巡る。
その後、中山道を経て善光寺に至り新潟は進んで日本海側を北上し帰るルート。

❷四国延長型
近畿までは❶と同じ。
大阪から船(金比羅船)で四国の丸亀まで足を伸ばす。金毘羅神社。参拝したのちただちに岡山へ上陸し山陽道で京都付近まで戻り、❶と同じルートで帰る。

❸富士登山セット型
ベースは❶か❷のコースで巡るが、江戸から東海道経由で西に向かう途中、主要な幹線道路を一旦外れて富士山に登る。その後再び沼津付近から東海道に合流する。

こちらの三つが旅日記から読み取ったルートです。
それにしてももしこの時代に生きていたら、確かにこんな旅をしてみたい!とウキウキしてしまいます(笑)

きっと私なら、富士山登山と四国も入れて近畿も見て帰ろうと思うかな(笑)

他にも、江戸から伊勢までの間に草履を12回も購入したとか、箱根から三島まで籠に乗り600文ほど払ったとか。
なかなか興味深い資料がたくさん載っていました。

江戸時代に生きていたら男に生まれて、伊勢まで旅してみたかったな。
いや、していたかも(笑)

そんなことを考えていたら、
「江戸から伊勢まで実際に歩いて旅したらどうなるのだろう」とふと思ってしまい、やばい!やりたくなる!となりました(笑)

東京から箱根まで走れば1日で行ける距離なんだよなとか(素人がしかも一人ではさすがにいけませんが笑)

関係ないですが、私は箱根駅伝を見たことがなくて、そのためふわっと「箱根の山を5人で分けてリレーしている」のだと思っていたのです😅

ある時、箱根に旅行したので、実際に駅伝を見てみようと、お正月の朝から生まれて初めて最初から駅伝を見まして。

待って!!!
東京から箱根まで走っている!
はあ?
箱根の麓から山を超えて芦ノ湖へ行って帰ってくるとかじゃなかったの?
ていうか、あの山を一人で登っていたの??
となりました(苦笑)

実際にあの山を歩いて、
「こんなに急なんだもん、そりゃあ5人で分けて登って降りるわ(無知ですいません!)」
と逆に納得していただけに、とんでもない衝撃を受けました。

思い出の芦ノ湖を渡る海賊船タイプの遊覧船

そんな箱根駅伝があるがために、江戸から伊勢なら何日かかかるだろうけど、普通に歩けそうだと思う自分が怖い(駅伝舐めんな)😱

#今日読んだ本

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