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表現の自由と放送禁止基準考(制作途中の歌詞ノベライズ作品について)

【まえがき】
編集者に必要な知識がない編集者さん向きに、ルビを多めにカッコ書きし、文中に数字つきの※、文末に注釈をつけます。
編集者以外の人達にも、役立つ場合があります。
スクロールで本文と注釈を行き来しながら、対応する数字の説明を読んで下さいね。

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現在、チェッカーズの皆さん(以下、チェッカーズ)の『NANA(ナナ)』をノベライズした作品を、下書き保存で寝かせています。
以下、経緯(いきさつ)について書きます。

中学生時代、息子さんがチェッカーズファンの社会科教諭が、授業中にNHKで同曲(=『NANA』)の歌詞があまりに性的過ぎるという理由で、放送禁止にされたことに触れたあと、日本国憲法に規定されている「表現の自由」との関係を、小論文で論じる課題を出しました。
宿題でなく、授業中にその場で書く課題でした。

(当時の名古屋市立中学校の中では、学力レベルが低いド田舎学校だと先生方に蔑(さげす)まれていた学校です。)

正確には、憲法上の表現の自由を侵害していそうな事例を、課題の選択テーマとして3つ挙げられていた中に、「チェッカーズのNANAがNHKで放送禁止になる」がありました。

同曲がNHKで放送禁止にされたことは、その授業で知りました。
同曲はチェッカーズにとって、セルフ・プロデュース・グループとしてのターニング・ポイントになる楽曲でしたので、てっきり発売された年の紅白歌合戦で披露(ひろう)されると思っていました。
ところが実際には、同年に先に発売された映画主題歌のシングル『Song for U.S.A.(ソング・フォー・ユーエスエー)』が選曲され、理由はソレだったのか!と驚きました。

(NHKには、どんなに大ヒットをしても、CMソングや映画・ドラマの主題歌など、宣伝目的の楽曲は放送しない時期がありました。特定の商品・企業などの宣伝応援をせず、公共放送の役割として、公平中立を心がけるという方針だったからです。いつからそれらの放送を解禁したのか、正確には覚えていません。また、『Song for U.S.A.』が主題歌だった映画は、大コケでした。なので、バレないという前提で、放送されていたかも………?)

中学生にもなれば、『NANA』の歌詞に比喩(ひゆ)表現が多用されていても、だいたいの内容はわかります。
性的でも、卑猥(ひわい)だとか猥褻(わいせつ)だとかは感じなくて、上品に大人の世界を描(えが)いているという認識でした。

一応、「猥褻図画陳列罪(わいせつずがちんれつざい)」という罪があるのは、その当時、既に読書の成果で知っていて、同曲放送禁止の措置(そち)に法的根拠(こんきょ)を求めるとしたら、それくらいしかないと思いました。
しかし、同曲程度のエロ度では、その罪状(ざいじょう)には該当(がいとう)しません。
NHKは国営放送なのにもかかわらず、法的根拠に欠ける措置でした。
しかも、憲法違反の可能性もある!

のちにサザンオールスターズの『マンピーのG★スポット』を、深夜に放送されていたNHKの桑田佳祐(くわたけいすけ)さん特集番組でたまたま視聴し、時代が違うとはいえ、チェッカーズの『NANA』が放送禁止になったのと対照的だと、驚きを禁じ得ませんでした。

ともに性的表現を含んでいても、コミックソング的に面白おかしく仕上げれば良くて、そうでなければ問題視するというNHKの姿勢が謎です。

ひょっとして、コミックバンド的なグループなら性的表現をしても良くて、イメージが大切なアイドルグループはダメというような基準なのでしょうか?
当時のチェッカーズは全員、成人メンバーばかりでしだが。

発売当時、PTAや教育委員会が『NANA』の歌詞を問題視したとか、それで抗議を申し入れたとかいう情報が全くなかっただけに、余計に衝撃が大きかったです。

PTAや教育委員会に目をつけられそうという意味では、むしろ『マンピーのG★スポット』のほうが、そうなりそうな印象を受けました。

実際、民放の有名歌番組で同曲が披露された時、サザンオールスターズの原由子(はらゆうこ)さんが、震え声で
「小学生の子どもが居るのに………両親(※1)がテレビでこんな歌を歌うなんて………(汗) いいんでしょうか?(汗) 私は出たくないと言ったんですけど………(汗) PTAと教育委員会だけは………本当に、勘弁して下さい。」
というようなことを仰(おっしゃ)っていました。

でも、教育的な意味では、どちらの楽曲も、歌詞の比喩表現の妙(※2)を解説しても良かったくらいです。
ちょっとした性教育にもなりますし。

現在の私の認識では、NHKの放送禁止基準が都会人ぶったド田舎者基準過ぎます。

視聴者から『NANA』の歌詞の意味を問い合わせられたら答えに困るとか、子どもに歌詞の意味を聞かれて困ったと抗議を受けるかもしれないという、先回りのくだらない理由で放送禁止にしたのかもしれないと、疑いたくなっていさえいます(※3)。

田舎度が高い地域ほど、義務教育の質が低くお粗末過ぎるようなので、田舎者率の高いテレビ局のスタッフ達が、比喩という言葉すら知らなかったのではないかと疑っています。
それに、当時は文学部をバカ学部扱いする傾向があったせいで、NHKにも文学部出身の人達は、少なかったろうと想像しています。

(「比喩」については、名古屋市立小学校で4〜5年生の頃に、国語の授業で習いました。漢字もそのまま。出身小学校も、当時の名古屋市立学校の中では、レベルが低いド田舎学校だと先生方に蔑まれていました。でも、一部のよその人達にとっては、文学部出身者か日本語教師の資格取得者・挑戦者くらいしか、知らないことらしいですね。不思議!)

単純に、放送禁止楽曲を決める権限のある人(達?)の好みではなかったということなのか?
アイドルバンドのチェッカーズが、メンバーによる作詞・作曲のシングル曲を世に出し、セルフ・プロデュースに舵(かじ)をきった(※4)ことを生意気だといって、制裁措置のようなつもりでしたことなのか?
そろそろ真実を明らかにしても、いいのではないでしょうか。

政治経済学科出身でも、仮にも法学部生として基礎法学を学んだ身として(※5)、NHKによるチェッカーズの『NANA』放送禁止措置は、日本国憲法に規定のある「表現の自由」の侵害(しんがい)にあたると感じています。
中学生時代からそうですが。

芸能界独特の変なしきたりや、無駄に権威主義(けんいしゅぎ)なTVギョーカイ人の意味不明な論理が、まかり通った結果ではないかとも(※6)思います。
NHKは特に、権威主義な印象を受けますし。

現在、自分の作品をインターネット上で公開している身としても、考えてしまう問題であり、今更ながら世間に是非を問いたい(※7)問題です。

チェッカーズがデビュー直前から数年間所属していたヤマハ音楽振興会(しんこうかい)については、のちに森川美穂さんのラジオ番組で、実はチェッカーズの最初の所属事務所だったと知りました。

割と長年、同事務所は真面目な音楽事務所だから芸能事務所とは違うという認識でしたが、事務所からの独立後の圧力というものを、バレにくいようにかけていたのかもしれないと疑いたくなっています。

私自身、これまでにクリエイターとして表現の自由問題に直面する機会はありました。
今後もあるかもしれないので、NHKの放送禁止問題や憲法上の「表現の自由」を問いつつ(※8)、チェッカーズの『NANA』を歌詞ノベライズ作品の題材にしたいと思う次第です。

但し、作品を公開するかどうかは、書き上げてから決めます。

憲法上の表現の自由やテレビ局の放送禁止基準について、思うところがある方は、コメントでも、ご自分の記事でも構いませんので、ご意見をお聞かせ下さい。

私は、森川美穂さんのラジオ番組で、ハガキを採用される常連リスナーとして、かつてのペンネームの来夢(らいむ)や小島葉子(こじまようこ)などで抜群の知名度があるため、ギョーカイの人達に一方的に知られていて、こまめに投稿のチェックをされています。
いわゆる「ペルソナ」にされていますので、ご意見を寄せて下されば、各ギョーカイの人達に伝わりやすいかと思います。

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参考資料

e-GOV法令検索 日本国憲法 https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION#Mp-Ch_3-At_21 
より引用したスクショ画像。
表現の自由については二十一条参照。

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注釈

※1…サザンオールスターズの桑田佳祐(くわたけいすけ)さんと原由子(はらゆうこ)さんは、ご夫婦です。

※2…「表現の巧(たく)みさ」とほぼ同義。

※3…「疑いたくなっています」の強調表現。「疑いたくなってさえいます」よりも強調度が高い表現。

※4…方針転換したという意味。

※5…〜な立場の者として、という意味。

※6…「結果だとも」の強調表現。

※7…原型は「是非(ぜひ)を問う」。類語の「賛否(さんぴ)を問う」とほぼ同義。

※8…「問いながら」と同義。

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夕月 檸檬 (ゆづき れもん)
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