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【今でしょ!note#138】グローバル・リーダーシップを磨く

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

昨日に引き続き、リーダーシップの話です。

前回は、リーダーシップは、リーダーの役割にある人だけが発揮するもので、その他の人には関係ないと考えていると、ハイパフォーマンスチームは永遠に作れません、という話をしました。

ハイパフォーマンスなチームを作るには、チームのすべての人がリーダーシップを発揮すること。
リーダーシップがあれば、成果を最大化するために何が必要なのか?を個々人が考えられます。たとえ社内の別部署がやっていることでさえも「同じ会社の成果を上げるために必要なことは何か?」を考えて、自分の意見を言っていけるし、言っていくことが大切という話です。

今日は、前回に引き続き伊賀泰代さんの「採用基準」を参考に、その全員が持つべき「グローバル・リーダーシップ」とは何か?を深掘りします。
私自身、東南アジアで約10年間の仕事経験があり、特に長かったミャンマーにおける仕事においては、多い時には現地採用のスタッフ100名以上と一緒にリーダーシップを発揮して成果を出すことが求められました。
その時の実体験なども絡めながら、説明していきます。


グローバル・リーダーシップとは

「グローバル・リーダーシップ」と聞いて、何を思い浮かべますか?
英語ができて、海外の仕事を上手く回せる人、みたいなイメージでしょうか。

私は「グローバルで当たり前とされているレベルでリーダーシップを発揮して、仕事の成果を最大化すること」と解釈しました。
つまり、対象が国内の仕事であっても、「グローバル・リーダーシップ」なのです。

では、グローバルで当たり前とされているリーダーシップは何かというと、「あらゆる場面でリーダーシップを発揮して、アウトプットに対する価値を常に問い続けること」と捉えています。
「あらゆる場面でリーダーシップを発揮して、自分で問題解決に導くこと」とも言えます。

アウトプットに対する価値を常に問う

1つ具体的に紹介されている例としては、「マッキンゼーでは、参加した会議で何も発言しないのはバリューゼロ。新人であれ誰であれ、漏れなく給料泥棒と見なされる」という話です。

1時間の会議で何も話さないのであれば、出ないほうがマシです。この考え方に立てば、周りは給料泥棒ばかりになりませんか?

私はこの考え方には心底共感していて、「会議に参加して勉強になった」という話を聞くと、仕事は勉強が目的でなく、成果を出すことが目的なのにな、と感じることが頻繁にあります。

仮に稚拙な発言であっても、その発言が誰かの思考を整理したり、別の視点に着目するきっかけになる可能性もあります。
「この1時間の会議の結論=仕事のアウトプットの質の向上のために、何らか貢献しよう」という姿勢で挑めば、自然と「自分なら今議論になっている問題に対して、このように考えてこう結論を下す」というように「決める」トレーニングもできます。

リーダーシップとは、「今この場で必要とされていること、全体の成果に貢献できることは何か?を考えて、発言・行動すること」です。
これが、別に海外の仕事だけで求められるリーダーシップではなく、国内の仕事においても当然大切なのは自明でしょう。

問題解決リーダーシップ

もう一つ大切な観点として、現実の問題を解決する時に必要なのは、「問題解決力」ではなく「問題解決リーダーシップ」ということです。

問題解決力は、例えばMECE(漏れなくダブりなく)といった考え方や、問題解決のためのフレームワークに当てはめて思考すること、を指します。
でも、現実の問題に対して、解決まで持っていくためにはそれだけでは不十分です。
こうすればよいのでは?と考えたことを発言して、周りを巻き込んで、解決まで導いていくこと。反対意見を言う人や興味がない人たちの力も借りながら、問題が解決された状態まで持っていくことです。
こう考えると難しいようにも聞こえますが、貸しスペースで行われた保護者会でお菓子が余った時に、「誰か要りませんか?お子さんがいるAさんが持って帰ればいいのでは?」と最初に発言できることも立派なリーダーシップです。

別にその場の取りまとめの役割でなくても、「今この場で必要なことは何か」を考えて発言して行動することがリーダーシップなのです。
「お菓子が余ってるけど、きっと誰かが持って帰るだろう」とか「事務局が片付けてくれるだろう」と心の中で思っているだけでは、問題解決リーダーシップを発揮できていないことになります。

グローバル人材という言葉の絶望

筆者の伊賀さんは、「グローバル人材」という言葉を聞くと絶望的な気持ちになるらしいです。何故ならば、日本社会はいまだにリーダーシップの重要性を理解できていないと思えるから。

私も以前、「グローバル人材」という言葉に強烈な違和感を感じる話をまとめており、とても共感したところでした。

グローバル人材とグローバルリーダーは根本的に異なります
グローバル人材は、単に「海外でも従来の事業オペレーションを粛々とこなせる人」を指しているのに対し、グローバルリーダーは「外国語が話せ、海外で雇った現地社員を率いて、開発・営業・マーケティングのような事業オペレーションを回していけるリーダー」を指します。
「海外で買収や提携した企業とととに、事業計画や問題解決のプロセスを率いていけるリーダー」とも言えます。

私が大変幸運だったのは、このグローバルリーダーの動きそのものを仕事を通じて10年以上経験できたことです。
基本的には、ミャンマーの現地社員を率いて、英語やツギハギのミャンマー語を駆使しながら、現地スタッフの力を借りつつ問題だらけのプロジェクトを何とか完遂する、といったハードだけど充実感も半端ない仕事を20代〜30代前半で経験しました。

また、グローバルリーダーの模範となる人も沢山見てこれました。例えば、IMF(国際通貨基金)や世界銀行のコンサルタント(当然海外の人)と仕事をする機会も多かったです。
ニュージーランド出身のとある方は、おそらく50代の方ですが、単身でミャンマーに乗り込み、自ら作成した資料でミャンマーの金融系関係者にプレゼンして協力を仰ぎながら、自分で作ったプログラムツールで、とあるプロジェクトをやり遂げていました。

私もその方と2人で仕事をしたのですが、グローバルリーダーは、自分一人で多くの人を巻き込み、こんなに大きくて難しい問題をこうやって解決していくんだ、と実感しました。
日本で、自分では手を動かさず、後方で指示だけしている管理職とは真逆のところにいます。チャーミングな一面もあり、大変魅力的な方でした。

グローバルリーダーは役職関係なく助けてくれる

マッキンゼーでは、必要とあらば誰でもいつでも助けてくれる話が紹介されていますが、これは私も経験しました。

例えば、利害が対立する人たちが出席する舵取りが難しい会議でディスカッションリーダーとして率いていて議論が紛糾したときに、別の人が他の角度から議論を切り出し、関係者の気持ちを汲み取りながら話を前に進めてくれる話が紹介されています。

私も、お客さんとのタフな交渉の際、現地の若手リーダーたちがあの手この手で援護してくれて、何とか乗り切った経験が沢山あります。

これも、現地の若手リーダーたちが、その場の成果最大化のために、頼んでいないのに自ら動いて私を支援してくれて、チームとしての成果最大化に貢献してくれた例です。
こうやって文字にしているだけでも、思い出して涙が出そうな経験です。

私はたまたま多くのグローバルリーダーの模範となる人たちと仕事をし、また自らグローバルリーダーシップを発揮する機会に恵まれました。
そしてその経験は、国内で仕事をしている今にも大きな財産になっています。

明日は、全てのメンバーがグローバル・リーダーシップを発揮できる強いチームを作るには、何が必要なのか?という点について、これまでの経験をもとにまとめてみようと思います。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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