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人生は平等じゃない
”セッショクショウガイ”という言葉を聞いたことがあるだろうか。
接触?
いいえ、”摂食障害”だ。
心の病のひとつで、太るのがこわくて食べられなくなってしまったり、食べても吐いてしまったり・・・人により症状は異なる。
過食症、拒食症なんても分類される。
私の実の妹がこの病気になって、もう10年近くがたとうとしている。
長い間治らないのだ。
まるでガイコツのように痩せ細り、生命に危険が及ぶため、入院することとなった。
肉の脂身はすべて取り除くし、野菜のみ多量に食べたがるし、調理時の油を気にし母の料理を口にしなくなったし、料理が冷めたら何度も温め直すし、揚げ物なんてもってのほか。
食事以外のこだわりも強い。自分なりのルーティーンがあり、それをしてからでないと食事が食べられないし、家の中では自分が行きたい場所に家族がいるとパニックになるし、トイレがやたら長い。
会話をすることすらままならない。本人のタイミングでないと、話しかけることができないのだ。
体重が極度に落ちているため、脳が正常に機能していないのか、極端に空気が読めずおかしなことを言いだしたり、すべての支度や行動に時間がかかり、集合時間に間に合うことができない。
そんな毎日で、会社へも行けなくなり、自己肯定感が非常に下がっているとともに、自分の中での決めごとが多い生活で、本人にとってみても、同居する家族にとってみても、ものすごいストレスに違いない。
もともと、末っ子の妹は、真面目で、私とは違って器用で縫い物やイラストも得意で、字もきれいで、運動神経も抜群で、何でもできるタイプだったと思う。小学生の頃なんかは、よく表彰もされており、その反面、周囲の妬みをかうことすらあった。
気づいたら病気になって、どんどんおかしくなっていった。
はじめは、食べるためにものすごく走って、動いて、運動をして・・・家が壊れそうな勢いだった。それが今では、痩せ細り、走る体力すらない。
この暑さの中、倒れない方が不思議なくらいだ。
この未知なる病気に関して、はじめは無知で厳しくしていた父であったが、いつしか怒鳴ることはなくなった。その代わりに不自然なくらいに甘やかすようになった。
反面、母は、休日だけの父と違い、妹と一緒に過ごす時間が長く、食事も用意しているため、試行錯誤尾しながら料理をしたり、節度をわきまえない場合は叱ることもあった。
(後に、両親の考えが合わず、別居婚となる。)
本を読んだり、医者のアドバイスを聞いたり、ネットで調べたり、接し方を変えたり、あらゆる手を尽くしたが、未だ治らない。
モデルさんやマラソン・スケートの選手などスポーツ選手でもなる方が多くいるこの病気、摂食障害。完治した人の話を読むと、たいてい何かのきっかけ、誰かの一言や本人の気づきがあり、治っていったというものであった。
大学生になったら、社会人になったら・・・環境が変わったら治るのではないか、そんな望みも見事に打ち砕かれた。
同じ両親、同じ環境で育ってきた私と弟はなぜ病気になっていないのか。
同じ出来事があっても、性格によって受け取り方や考え方が違うからだろうか。
手術や薬で治るわけでもなく、本当にどうしたらいいのかお手上げ状態。
もっぱら、神社でお参りをするときはの願いごとは、”早く妹の病気が治りますように”。
1日も早い回復を願ってならない。
”昔の病気する前の妹に戻りますように。”