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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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Rhythm Heritage「Sky’s The Limit」(1978)

Rhythm Heritage…、皆さんご存じですか?ですが、何者かというと、ディスコの曲でも有名なヴァン・マッコイの一味と同じようなグループで、ここでの首謀者はスティーヴ・バリとマイケル・オマーティアンです。 スティーブ・バリはポップスファンには御馴染みのダンヒル・レコードの著名なプロデューサーですね。私としてはそのイメージが強かったので、そのスティーヴとAORの権化でもあるマイケル・オマーティアンがタッグを組んでいることに、とても違和感を感じました。 ヴァン・マッコイが

The Beach Boys「Surf's Up」(1971)

「Sunflower」はビーチボーイズの70年代の幕開けに相応しい渾身の1枚で、ブライアンをフォローする他のメンバーの活躍、バンドとしての力量が十分発揮されたアルバムでした。にも関わらず商業的には散々な結果に終わってしまいました。 ちょうどこの「Sunflower」が発売される直前に、ブライアン・ウィルソン、ブルース・ジョンストン、マイク・ラブはKPFK局のDJ、ジャック・ライリーからインタビューを受けます。その際にブライアンは多くの悩み、例えば「イメージを変える努力が足り

Beach Boys「Sunflower」(1970)

1970年というと、もう既にビーチボーイズは過去のバンドであって、ブライアン・ウィルソンも精神的に病んでしまって、一体どうなってしまうのか…という状態だったのではないでしょうか。そんな時代における本作ですが、ここではブライアンの弟、デニスや、ブルース・ジョンストンがソングライティング面で大いに貢献しております。 デニスはかなりソウルフルに、ブルースはポップスに、その方向性は違うのですが、本作ではビーチボーイズの今後の可能性を大いに感じさせる内容になっております。 リプリー

Paul McCartney & Wings「London Town」(1978)

クインシー・ジョーンズが亡くなれた報に接し、彼の偉大なる功績のひとつ、マイケル・ジャクソンの「Off The Wall」を聴いていたところ、ポール・マッカートニーの作品が収録されていたことを思い出し、更にその曲が本作に収録されたいたことに気付き、早速本作をじっくり聴いております。 「Wings Over America」と題されたアメリカ・ツアーを含むワールドツアーの成功で、このウィングスの5人は結束が堅いと思っていたのですが、本作レコ―ディング後、ジョー・イングリッシュと

Michael Jackson「Off the Wall」(1979)

クィンシー・ジョーンズが亡くなられました。巨星逝く…といった感じでしょうか。個人的にはクィンシーがジャズマンだった頃の「SOUL BOSSA NOVA」って曲が大好きでした。某CMに使われてましたよね。 それから日本でも超大ヒットした「愛のコリーダ」。最初クィンシーが歌っているものとばかり思っていたのですが、実はそうではなく、彼はダンサーだった(笑)という名ライヴ。ルイス・ジョンソンのベース、これも凄い! ピンクのクィンシーにばかり、目が行ってしまいますが(笑)、よく見ると

Jackson Sisters「Jackson Sisters」(1976)

今回は久々のソウルです。といっても曲は知っているけど・・・、といったあまり知られていないアルバム。 1980年代後半にレア・グルーヴと呼ばれた音楽が生まれました。(以下wiki)現在の新たな価値観で「踊れる、のる事ができる」ものとして発掘され、再評価を受けた過去の楽曲の事を、「珍しいグルーヴ(を持つ音楽・楽曲)」として、レア・グルーヴと呼ぶ。 「ジャクソン・シスターズ」はまさにこの流れに発掘されたグループで、このアルバムが発表された当時(1976年)は、商業的には全く不発に

Paul Williams「Life Goes On」(1972)

今週は幕張メッセで行われている「CEATEC」というイベントで登壇してきました…。 そして今日は蓼科に遠征ゴルフに来ております。余裕あれば高原ゴルフの写真を後からアップしようかなとも思ってます。 さて、今回はポール・ウィリアムスのサード・アルバムをご紹介致します。 ポール・ウィリアムスといえばロジャー・ニコルスと組んで発表した数々の名曲の作者として有名ですが、私としてはモンキーズのオーディションを受けた署名人の一人との認識です。そのポールも後にモンキーズに楽曲提供しており

Faragher Brothers「Family Ties」(1977)

ようやく朝晩と涼しくなってきました。ゴルフ日和になってきましたね…。週末は蓼科ゴルフです…。なので気持ちの良い朝に気持ちの良いAORを聴いております。 今回ご紹介するアーチストはあまり知名度ないかもしれませんね。ファラガー・ブラザーズ。名前の通りファラガー兄弟、4人のバンドです。ブルーアイドソウル系のバンドですが、今回ご紹介するセカンドではジェイ・グレイドンがギターで参加し、ちょっとAORテイストが加わっております。そしてサードではかなりAOR指数の高い仕上がりに。 バンド自

The Souther Hillman Furay Band「Trouble In Paradise」(1975)

J.D.サウザーが亡くなれたことはまだ実感として湧きません。日本では殆どニュースにもなっていないからだと思いますが、米国でもそれほど大きなニュースになっていないような気もします。素晴らしい楽曲を書く方だっただけに残念です。 ここ数日は彼の作品を聴く機会が多かったのですが、そんな中、J.D.が在籍していたサウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドのセカンドを殆ど聴いていなかったことに気付き、今更ながら聴き込んでおりますが、これがファースト以上にいいんですよね。このセカンドは駄作だ

Paul Williams「Just An Old Fashioned Love Song」(1971)

今回はジミ~なアルバムをご紹介。といっても一部の方々にとっては馴染みの深いアーチスト、ポール・ウィリアムスのセカンドアルバムです。 彼のファーストアルバム「Someday Man」も名作ですが、そのアルバム、私の大好きなジョー・オズボーン、ハル・ブレイン、ラリー・ネクテル等、ダンヒル・リズム・セクションの演奏が素晴らしく、かつ全曲ロジャー・ニコルス&ポール・ウィリアムス作という夢のような素晴らしいアルバムでした。 そしてその後ポールはカーペンターズでも有名なA&Mへ移籍。そ

Carole King「Writer」(1970)

キャロル・キングのソロデビューアルバムが「Tapestry」だと思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれません。 それくらい強烈な印象のセカンドの「Tapestry」…、それに比して印象の薄いデビューアルバムの「Writer」。でも実は両者発表時期の開きはたったの9ヶ月しかありません。「Writer」は1970年5月発表ですが、「Tapestry」は1971年2月。このわずかな期間でキャロルは作風が微妙に変わってきたのですが、「Writer」に魅力がないのかというと決してそんな

Carly Simon「Boys in the Trees」(1978)

今回はJTの元奥さん、カーリー・サイモン。このアルバム、艶やかなジャケットはよく知っていても、中身はそれほど知っていた訳ではなく、せいぜい名曲「You Belong To Me」が収録されていることくらいしか知りませんでした。 当時一世を風靡していたフュージョン・バンドのスタッフが全面的に参加しているってことが多く語られるアルバムですが、印象としては雑多な印象…。多彩な楽曲が収録されているが故に、アルバムとしては散漫な印象といったところでしょうか。 もちろんアルバムの中身

Joni Mitchell「The Hissing of Summer Lawns」(1975)

あのデイン・ドナヒューが新譜を発表致しました。 デインの超名盤「Dane Donohue」についてはリンク先をご参照頂くも、46年振りの新譜、そのセカンドアルバムは味わい深い内容でした。 今月レココレにも彼のミニ特集(2ページだけですが)が組まれてました。 こちらはもう少し後でレビューしたいと思ってます。 さて、今回ご紹介するアーチストは超難関、聴き手の理解を超越していくジョニ・ミッチェルです。 本作発表後、ジョニはジャコ・パストリアスと出会い、よりフュージョン色の濃い作品

Cheap Trick「Dream Police」(1979)

私の中ではパワーポップの祖といえばバッドフィンガー、ラズベリーズ、そしてその代表格といえばチープトリック、といったところでしょうか。 もともとポップスが大好きだった私は、彼等のポップスがブレンドされたハードロックに直ぐに夢中になり、リアルタイムではないのですが、セカンドアルバム「In Color」をよく聴いてました。そしてもちろん「at Budokan」も。 私が洋楽を聴き始めた頃…、確か「One On One」を発表した頃ですが、もう彼等の人気は衰えはじめていましたが、そ