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Rhythm Heritage「Sky’s The Limit」(1978)

Rhythm Heritage…、皆さんご存じですか?ですが、何者かというと、ディスコの曲でも有名なヴァン・マッコイの一味と同じようなグループで、ここでの首謀者はスティーヴ・バリとマイケル・オマーティアンです。
スティーブ・バリはポップスファンには御馴染みのダンヒル・レコードの著名なプロデューサーですね。私としてはそのイメージが強かったので、そのスティーヴとAORの権化でもあるマイケル・オマーティアンがタッグを組んでいることに、とても違和感を感じました。

ヴァン・マッコイがスタッフの連中を率いてソウルファンクをやっていたのに呼応する形で、このRhythm Heritageも当初はファンキーな音を聴かせていましたが、この1978年発表のサードアルバムは、前2作とは趣を変えて、かなりAOR色豊かな音を聴かせてくれます。そしてここでのミュージシャンはマイケル・オマーティアン(Key,Vo)を筆頭にジェイ・グレイドン(g)、スコット・エドワーズ(b)、エド・グリーン(ds)、ヴィクター・フェルドマン(per)等・・・。何と言ってもジェイ・グレイドンですね~。前にご紹介したアル・ジャロウとのPJ以前のジェイですが、ここでも随所にいい演奏を聴かせてくれます。

①「Sail Away With Me」のイントロからジェイのしなやかなギターとメロウなキーボード。それに続くメロディは1978年当時に流行った落ち着いた典型的なAORの音。う~ん、やっぱりAORはいい。
随所にジェイの伸びやかなギターが心地いい!!
この1曲を聴くだけでもこのアルバム、買いですね。

リズム的にはレゲエやスカといった感じも漂う②「Had To Fall In Love」。でも味付けはマイケル・オマーティアンですので、完全にAORソングです。間奏のフリューゲル・ホルンも爽やかでいいですね。
Rhythm Heritageは架空のバンド、一時的なプロジェクトチームや覆面バンド的なイメージだと思われますが、このアルバム全体を通じて言えるのは、ホントのバンドとして売り出そうともしていたのかと思わせるくらいにまとまっているんですよね。音がバンドしています。

⑤「Theme from Starsky and Hutch」はタイトルからもお分かりの通り、TVドラマ「スタスキー&ハッチ」のテーマソングですね。
実はRhythm Heritageはこのアルバムの発表前に、テレビドラマ「特別狙撃隊SWAT」のテーマソングを大ヒットさせています。この曲はあまりにも有名なのでご存知の方も多いでしょう(ちなみにこの曲はAORソングではありません)。
その二番煎じ的なカバーソングですが、ここではAORナイズされたアレンジで、何も知らないで聴くと、ドラマのテーマソングとは分からない、オリジナルに聴こえます

⑦「Hedge Hog」。まあ、よくこんなレアな楽曲がYouTubeにはアップされているものです。感心します。
イントロのホーン、トム・スコットかジェリー・ヘイ辺りでしょうか。
ヴィクター・フェルドマンの軽快なヴィブラフォンが聴きどころ。AORというか、インストなのでどちらかというとフュージョンタッチの1曲です。

アルバムタイトルトラックの⑧「Sky's the Limit」。おお、一瞬YMO的なテクノサウンドのようなメロディに驚かされますが、ご安心下さい。やっぱり素晴らしいAORトラックです。これもインストですけど、今日のようないい天気の日に聴いてみたい1曲です。

この頃のAOR系スタジオワークス、いいものがいっぱいありますね。

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