引退記~12年間のバレーボール人生~
"青春"と呼ばれる時期の全ては、バレーボールに捧げた。
時にはやりたいこと、したいことを我慢して、映画やドラマのような甘酸っぱくて、オレンジ色で、キラキラな青春とは違う日々を送った。
小学校5年生の時から、いつも自分の生活の中心には、バレーがあった。
小学校から中学校に、中学校から高校に、高校から大学に、バレーを続けるか、辞めるかの選択は、いつも続けることを選んで、12年間が経った。
もう辞めたい、遊びたいと思ったことも、何百、何千回とあった。
それでも、辞める選択肢を選ばなかったのはなぜだろう。
誰かに強制されたわけじゃない。自分で、辛い方、厳しい方の道を選んできたのはなぜだろう。
きっと、バレーが大好きだったからだ。
次の人の為を思って、ボールを繋ぐ。託された思いを、また次の人の為に繋ぐ。この思いやりのスポーツは、自分を大きく成長させてくれた。
小学校、中学校、高校、大学、どのカテゴリーでも、精一杯頑張ってきたと、自信を持って言える。
自分で決めた道だから、好きで選んだ道だから。
最後までやると決めたことは、最後まで走り抜けた。
バレーを通して出逢った人たちは、自分の宝物だ。
同期、先輩、後輩、ライバルチームの戦友、保護者の方々、指導者の方々、学校の友人、応援してくれる人たち。
時に支え、支えられ、多くのものを貰ってきた。
12年間で、全国に沢山の繋がりをつくることができた。
引退した今、これからバレーが中心に無い生活が始まる。
新しい道を、一歩一歩、歩いていく。
練習が辛くて逃げ出したいと思った日々も、試合に負けて、悔しくて夜通し泣いた日々も、どんなに頑張っても報われなかった日々も、自分の価値を認めて貰えなかった日々も、自分が輝くことではなく、チームが輝くためにできることを探した日々も、
試合に勝って仲間と分かち合った喜びも、家族よりも長い時間を共に過ごした、仲間とのくしゃくしゃの笑顔の日々も、同じ方向を向いて、同じ場所で努力を重ねた日々も、
全ての日々が、これからの人生の糧となるに違いない。
ある人に、こんなことを言われたことがある。
これからは、どんな形であれ、このバレーボールというスポーツを次の世代の子どもたちに伝えていく立場に立っていきたいと思う。
自分がしてきた12年間の経験を活かして、自分が受け取ってきた思いを子どもたちに繋いでいく。
それが、自分にできるバレーボールへの、お世話になった方々への恩返しだと思う。
今まで、自分と関わってくれた全ての方に、
本当に、ありがとうございました。
2020年、12月1日。
バレーボール部活動を、引退します。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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