東吾妻町のサラダのついて
先日、自分と同じような理念を持っている経営者や料理人の仲間とのキャンプの機会がありました。
そこで、光栄にもコースメニューの最初のサラダとアミューズを担当させていただきました!
テーマは「東吾妻町のサラダ」
開催場所が車で2時間半ほどの場所だったのですが、できるだけ
当日に採れた野菜を提供することで価値を高めたい
と思い、当日に生産者の方の元を回らせていただきました。
サニーレタス、リーフレタス、ケール、水菜、ミニトマト、人参の葉っぱの葉物をベース。
その場で柚子の皮を擦り潰した酸味と柚子の香りがたっぷりのドレッシング。
それぞれの野菜が朝どれで提供したかったのですが、10月後半でなかなか野菜が見当たらない時期でもあったので、生産者の方に当日の朝にいただけるようにお願いして回ったりもしました。
例えば、この時期のミニトマトは実(トマトちゃん)がなるのには一週間ほどかかるのですが、生産者の方がじっくり美味しい瞬間まで待った甲斐がある味わい。フルーツのような糖度の甘いミニトマトでした。
改めて、このミニトマトが300円台で販売しているとか「安い!」というか、価値を損失しているようで、
とても、もったいないと思ったのも、正直なところでありました🫡
また、ドレッシングにハチミツを使っているのですが、これは町内のハチミツではなかったので、次回は町内のハチミツも享受して作ってみたいっす。
他にも、前もって送っておいた人参をベースにしたドレッシングをいただきました。
二十五年間、有機栽培で育てている畑の人参をベースに、和食のプロがセレクトした味噌
を加えて作ったドレッシングです。
自分の目指しているものが少しでも伝わるようにと、町に戻ってきてから何人かの方にお渡ししたましたが、渡せる量が限られていたので、お渡ししたくても渡せない人も多くなってしまいました。
本当にすみません…
🙇♂️🙇♂️🙇♂️
これらを監修していただいたシェフは、料理への愛情が素晴らしい知識も豊富な方。
「人参の葉っぱは、この先が柔らかくてサラダにすると美味しいんだよ」
一つ一つの食材の味の引き出し方を知っていて、普段から野菜を見ているはずの僕も「そんなこと知らなかった!」と、違う領域のプロの方だなと改めて思わされました。
どうですか。話を聞くだけでも美味しそうじゃないですか?
実は、ここまでテーマ以外に町の名前を推していないのをお気付きでしょうか。
「東吾妻町のサラダ」で大事なこと
それは、まずは「美味しい」と言ってもらえるよなサラダを作ることです。
お客さんからちゃんと納得を得られるようなクオリティであることを大事にしています。
「美味しい!」
とか
「こんなサラダ見たことない!」
という感動の先に
「このサラダって、どうやって作っているの?」という興味や関心が生まれ「実はこのサラダは…」と、サラダにまつわる意味や背景の町のことを伝えられると考えています。
チャンスをもらえるとでも言うのかな。
例えばですが。いきなり知らない町の人に…
「僕の育った◯◯町の生産物で作ったサラダです。ぜひ食べて!」
って言われても、その町に縁のある人にしか響かないってこと。
へ〜、そうなんすね…🐸
って反応、見たことあるし、したことないっすか?
「人参の葉の柔らかいけど苦味もある部分の良さを引き出すのがこのドレッシングです」
「この時期の一週間かけて育てた甘いミニトマトの味に興味ないですか?」
とかの方が、知らない町のことを聞くより食べたくなるじゃないですか。
それに、普通の味をしていたら
「いやいや、うちの町でも作れるし🐸」
って思ってしまう。
それは、作っている人がどれだけ自分の町や町の生産物が好きでも関係ない。
僕の役割は、僕が仲良くなれた生産者・生産物とシェフを繋ぎ、作るまでのプロデューサーのようなイメージです。
当日までも「こんなサラダが作りたい」「僕にとってのサラダはこういうものだ」など、やりとりをさせていただきました。
これは、ビジネスにおいて今の自分のポジショニングそのままでもあるのかなとも思います。
飲食業で働いてきた繋がりも大事にしながら、町内の生産者の方との繋がりが増えたり、深まるほど、価値のあるサラダができ、「東吾妻町のサラダとは?」というサラダについての哲学的(またの機会で書かせていただきます。)な部分を追求することで、サラダのオリジナリティが深堀りされていく。
元々、地形的に山ばかりなのでで平野のように生産量は多くはないですし、安値で沢山の生産物を作るのには向いてないのです。
でも、山の麓には民家が少ないので畜産農家が多く、麓の湧水を享受した水産業があり、標高を活かした果物があり、大量生産の効率を目指せなかったので、気付いたら野菜も米も実は美味しい。
これまでの三年間も町の中を走り回っていましたが、町の価値を創るためのサラダ作りに挑戦をしていきます。