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連載《教え子~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語~》

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塾講師の沢崎と、女子中学生の玉城彩子。 二人の間に淡くてほんのり苦い関係が生まれた。 講師と生徒の間柄を乗り越えて、二人の思いは結実するのか、しないのか。 じれったいが故のほろ苦…
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2019年6月の記事一覧

連載《教え子14~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》

連載《教え子14~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》

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電車での“珍事”から2日後、彩子が来る日。必死で彩子のクラスの授業準備をしていると、いつもより早く彩子がやってきた。

「沢崎先生~」
「えー?早えーな、もう来たんかよ」
「何やってんのお?」
「今日のテキスト作ってんだよ」
「ねえねえ」
ドキッとした。
女の甘い声だ。
ほかの先生も
「ん?なんだ?」
みたいな顔をして、彩子を見やった。
「うっせーから、黙ってろよ」
「んねーえー、

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連載《教え子13~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》

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少しずつ暗闇に目が慣れてきた。
しかし玉城のスマホに目をやるとチカチカしてまた目が見えなくなる。
それでも玉城が心配で目を凝らして様子を窺った。
するとその顔はスマホの光で反射してボーッと浮き出ていた。
気づいた玉城は、持ち前のクシャッとした笑顔を見せて、
「そんなに見ないで」
と言った。
「ち、ちげえよ、スマホでチカチカして見えねえんだよ」
玉城は、そう言われても、ちっともへっち

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連載《教え子12~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》

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一斉に照明が落ちた。
電車の中と外の境界がなくなり、宇宙の片隅に放り出されている錯覚を起こした。
ブーっと唸っていた送風もダウンした。
目が見えなくなって初めてそんな音がしていたことに気が付いた。
暗闇と静寂が訪れた。
と、天井から電子音が流れ、直後、何かの通信音が聞こえてきた。
(ジー、・・・間で・・・が・・・)
どうやら管制センターのアナウンスをマイクが拾っているようだ。
「お

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連載《教え子11~塾講師と生徒~淡くてほんのり苦い物語》

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電車に乗り込むと車内は疎らに乗客がいた。
シートも疎らに所々一人分、二人分空いていて、座ろうと思えば座れた。
ただ、座るとすれば少々窮屈そうな印象を受けた。
窮屈。
ということは、肩の触れ合う距離。
プラットフォームのベンチで電車を待っていた時は、お互い適度な距離感を保っていたわけだから、一気に距離が縮むことで想定外のことが起きてしまわないか、俺は一瞬たじろいだ。
後ろのドアが閉ま

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