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エッセイ

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思った事をつらつらと忘れないようにと書いています。
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ヘラヘラ小唄

プシュっと音を立てた500mlの缶ビールは、一口目で三分の一も無くなってしまった。金曜日の午後3時、猛暑日で汗が滲む帰り道で涙まで滲む。「今週もお疲れ様。」と細やかに自分を労う。「本当によく頑張ったなー、生きたぞ今週も。」短くもあり長くもあった一週間がビールに溶けていく。二口目以降は昼に食べすぎたせいもあり、あまり進まなかった。

頑張ったのは仕事じゃなくて、勉強でもなくて、それは何度も自分自身と

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酒の駄文

酒の駄文

酒に溺れる、という言葉がある。僕は酒に溺れるために飲んでいるものだから、酒に溺れる、という言葉は悪い意味で使うことはほとんどない。どうだろうか、嫌なことがあったり、言葉にならないもやもやを頭で整理しても晴れないケースは沢山あるだろう。犯罪を犯しましたなんてことない限りは、晴れないもやもやの行き場を失っていることが多いのではないだろうか。僕は酒に溺れるということ、即ち酩酊して頭の中を空にして、不安な

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様々な疲れ

1日の後半に差し掛かると僕はどっと疲れてしまう。1日の後半というのは大体午後3時くらいを指す。僕は目が重くなり、痺れた感じになり、乾いてくる。目の疲れがとってもひどい。文字が目に入ってこないし、目が疲れていると単純にしんどい。どうしたことやら。僕は生まれてから一度も目が悪いと言われたことが無く、メガネやコンタクトレンズの装着には縁が無かった。目の情報量って基本多いので目がダメになると情報が遮断され

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おのれ誘惑

気を抜くとすぐこれだ。かつての職場で怠慢王と言われただけはある。タバコ。明日から治験が始まるので、この際タバコやめようってちょっと思った。しかしながら、やめようって思うのはニコチンが充足している時の僕であって、我慢に顔を赤らめている僕ではない。このノートを書く少し前にコンビニに足を運び、マルボロメンソ4mg買ってしまいました。誰か、止めてください。助けてください。まあ、買ってしまったものは仕方がな

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悩みについて

悩みについて

 僕は色んなことを忘れる。明日の予定とか、昨日したこととか、学んだこと、やろうと決めたこと。一貫性が無いって言われる。分かる。そう言われた時に愚かさに気づく。忘れることって余計なことをするよりも取り返しがつかないことだと思う。人を巻き込んだら信用を失うから。ウシジマくんに触発されてすごく恐ろしいなって思う事がある。お金の事なんだけど、お金って一人歩きして忘れ去られた時にはいい意味でも悪い意味でも育

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権利の昇天

権利の昇天

   ラーメンが大好きだ。母親の次くらいに好きで、母親とギターに挟まれると言った具合にカオスなランキングは置いておく。そんなラーメンを夕食にした帰り道だった。小生、車を草臥れた一日と共に飛ばしていると何やら困った事態に阻まれた。食後のうとうと酩酊思考がほとんど出来ぬくらい血が頭に巡らぬ時に何じゃと眼をかっ開いた。家まで300メートル位のところからかなり細い道になる。どのくらい細いかと言うと、小生の

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進まないの話

どうでもいいとこからどうでもいいとこへとただ流れるように生きる、なんてことは完璧には出来ないんだと思う。苦痛が体を蝕んで、苦悩が心を蝕んで少なくともそこから逃げようとする反応を持っているだろう。だから、自分は逃げられない。どうでもいいことなんてどうでもいい、と流せるようになるには時間が要る。どうでもいいと思いたいことが頭にこびりついていて離れない。ずっと離れない。周りから考えすぎたと言われることが

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「ムショウの愛」

「ムショウの愛」

   旧友が二十五の誕生日を迎えるに当って、思い出したことが在る。何年前か友の遠征に差し当たり、宿無きを見、我が六畳に招いた時のことだ。安酒を煽り夜更け迄、様々な話をした。粗末な布団は私と彼との座布団の役を承った。家族のこと、興じている音楽のこと、女性のこと、自分の生きるに差し当たり大事にしていること。素面では話せない、話すきっかけもないことを日本酒は仲人となって円滑に取り仕切って呉れた。
   

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莨

空気が凛として澄んだ秋の夜、眠れず持て余していたのでベランダに出た。新居に越して来たばかりで、引越の際ゴミ袋に投げて来た灰皿が不図、生活の中ではコップと同じくらい──────私に取ってはそれ以上、無いと困る物だと気が付いた。故郷の東山焼の底七センチ程のを代わりに使っていた。御土産を此上無い雑用係にして了った後悔は、本の三本捨てただけで煙と化した(或は最初の一本で消え去って了ったかもしれない)。越し

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