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稲作と洪水

今日は朝から妻と図書館へ行ってきた。
普段あまり行かない分館で、そこには郷土資料展示室という部屋がある。
近隣から出土した、縄文時代から江戸時代までの出土品を少しだけ展示してあり、竪穴式住居の再現コーナーもあったりして、地味だが結構好きな場所である。

そもそも僕は小さい頃に土器集めをしていた時期があった。
近所のお兄さんと一緒に神社の塚をあばくのだ。
そこからは縄文土器、弥生土器、黒曜石の矢じりなどが発掘された。
当時はミルク缶一杯に土器の破片を持っていたのだが、いつの間にか全て何処かへ行ってしまった。


ところで展示室のパネルに面白い事が書いてあった。
人々は旧石器時代は定住しておらず、洪水を避けるため高台に住んでいた。
そして稲作が始まると低い土地に住み始めた。稲作には水が必要だからだ。
もっと時代が下がると、より低い土地に定住するようになる。つまり、もっと大規模で効率の良い稲作が必要になったからであろう。

こう見てくると、毎年洪水被害があるのに古くから河川の近くに家があるのはどうしてだろう?と疑問に思っていた事が理解できた。

日本人は、長い稲作の歴史の果てに、米の取れ高と洪水被害とをトレードオフしていたという事だ。

見捨てられたような展示室にもなかなか面白い発見があった。


ちなみに今日借りた本はゴロヴニンの「日本俘虜実記」

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