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今年買ってよかったもの 「高いもの」と「安いもの」編

年末になると、noteに限らずあらゆる媒体で「今年買ってよかったもの」という記事を目にするようになる。あるジャンルの専門家や有名人があれこれ紹介するのを楽しみにしている方も多いだろう。

この手の記事で紹介されるものは大きく3タイプに分けられる。便利だったもの、よく着用したもの、そしてただ気に入ったもの、だ。家電や文房具等の道具、ファッション関連アイテム、アート作品や収集品、と分類するとよりわかりやすいだろうか。

これまで私が紹介してきたものは全てファッション関連アイテムだった。今も昔も、私がお金をかけたいと思うものは身につけるものが多く、それ以外ものにはあまり興味がないのだ。デジタルデバイスにはめっぽう疎いし、アート作品はまだその魅力に気づけていない。

そんな中今日は、より「便利だったもの」に分類されるふたつのものを紹介したい。これが今年最後の「今年買ってよかったもの」の記事となる。

そのふたつが、こちら。

Trek “Domane SL5 ”とタイガーの水筒

自転車については、この夏あたりからちょこちょこ記事にもしていたので、このnoteの熱心な読者においては今更感があるかもしれない。自転車がいかに楽しいかについての説明は他の記事に譲ることにしよう。

一方で水筒がこのnoteに登場するのははじめてのことだと思う。当初は自転車に乗るにあたって購入したものだったが、今では外出先だけでなく家の中でも使うほど重宝している。


自転車と水筒の取り合わせというのは、些か違和感があるだろう。ロードバイクは特別な買い物だが、水筒は日用品。「今年買ってよかったもの」シリーズで紹介したものの中で一番高いものと一番安いものの組み合わせでもある。


「今年買ってよかったもの」シリーズを書こうと思った12月のあたま、まず最初に、その最後の記事において自転車と水筒を紹介することを決めた。その理由は、そのふたつのものが「私にとっての幸せとは」という問いについて考える契機を与えてくれたからだ。

自転車に乗ってあちこち移動することがこんなにも楽しいとは思ってもみなかった。ここ数年で「楽しい」と感じたことの中で一番に近いくらいその「楽しい」が大きかった。旅行や買い物、美味しいものを食べること以上に喜びがある。素晴らしい読書体験に近いものがあった。

また、水筒を持ち歩くようになって、いかに普段何気なく物を買っていたかに気づかされた。喉が渇いた時に自販機で購入する、家で淹れるのには劣るお茶は、満足度も低い上に最後まで飲み干されないこともしばしば。水筒を準備し持ち歩く手間はかかるものの、出先で美味しい一服ができることが小さいながらも心を満たしてくれるという気づきは、私には思いがけないものだった。それに伴って、コンビニやデリバリーサービスのご飯を買わなくなったことも私には大きな変化だった。

ちなみに、今までもいくつか水筒を使ってきたが、今回購入したタイガーの取っ手付きのスクリュータイプが一番気に入っている。保冷性、保温性も高いし、大容量の割に場所を取らない。そして意外にこの取っ手が便利だ。手に持つ際にこの部分を指に引っ掛けて持ち運べるのだ。


『「私にとっての幸せ」を考える契機』というのはあるいは大げさに聞こえるかもしれないが、それが過言ではないほどの悟りを私にもたらした。つまり私は、なるべく自分の力のみでより遠くに移動することが、電車や飛行機での移動よりも大きな喜びになり、また、少し手間がかかっても、身体によくて、シンプルで、美味しいものを口にすることを望む人なのだ。

だから、お金をかけるべきは、ビジネスあるいはファーストクラスでの移動でも、高級なホテルやレストランでも、あるいは手軽に移動できるタクシーでも、手っ取り早く乾きや空腹を満たす自動販売機やコンビニに並ぶ商品でもない。いい自転車と、それを快適に乗りこなすための装備、美味しいお茶を淹れるための茶葉、そしてヘルシーな食材なのだ。それらに加えて、お茶や料理、そして自転車のための手間隙が不可欠になる。


これが明らかになったことで、私はこう思った。

「なんだ、お金持ちになる必要も、ブランドを大きくする必要もないんだ」

つまり、それなりの生活ができて、服や眼鏡などの興味があるものを買えて、先に挙げたお金をかけるべきところにこだわれる余裕さえあれば、それ以上である必要は、私にはないのだ。いい家に住んだり、車を買ったり、ラグジュアリーな体験をすることは、私の幸せにはあまり寄与しない。それよりも、自転車に乗ったり、美味しくお茶を淹れたりするための時間を確保することが重要になってくる。


私のnoteの読者の中で、今年の後半に私が「お金持ちになるつもりもないし、有名になることにも興味がない」と何度も書いていたことにお気づきの方はどれくらいいるだろうか。

以前はそうではなかった。経済的な成功も、ブランドの成長も、どちらもどこか“義務”のように感じていた節がある。それが自転車と水筒によって、私はその“義務”から解放されたのだ。尤も、それはまったくもって“義務”ではなく、そうだと勝手に感じていただけだが。


そんな大きな気づきをたらしてくれたのは、「高いもの」と「安いもの」だった。そしてそれはただの気づきにとどまらず、私はこれらふたつのものによって、実際に幸せになったと思う。


本当はもっと書きたいことがあるのだが、だいぶ長くなってしまったので、この辺りで筆を置くことにする。

これにて、「今年買ってよかったもの」シリーズ、完結。

また来年も、きっと様々なものを買うのだろう。私はやっぱり、ものが好き。特に、その機能を超えて、私の価値観にも影響を与えるようなものにグッとくるのだ。


今年はとってもいい買い物ができた。来年買うものが、私にさらなる幸せをもたらしてくれますように。


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