普通の人には分からない、「働けないこと」の苦しさ。双極性障害患者の本音。
「働きたいけど働けない」とはどういうことか?双極性障害患者の気持ちと葛藤
世の中の一般的な人々は「働きたくない」とよく言うけれど、双極性障害の患者は「働きたい」と思っている人が多いのではないでしょうか?
「障害のせいで働けない」といった人も多いです。
ただ私を含めた患者の大半は「今の体調では働けないけど、働きたい」「働きたいけど働けない」とよく言います。
一般的な(健常者の)社会人は理解しにくい感情だと思います。
普通に働いていると「上司との関わりが嫌だ」「残業がつらい」と思うことの方が多いでしょう。
つまり「働きたくない」と感じる人が多いわけです。
その気持ちもよく分かります。でも、本記事を通じて双極性障害の患者の気持ち・本音を少しでいいので知ってほしい。
そんな気持ちでこの記事を書いています。
働ける人も、障害を持っていて働けない人も、この記事でお互いのことを少しでも理解できればな、と強く思っています。
「普通に働く」ことのありがたさ。仕事ができないと感じる要因とは?
「普通に働く」とは何だろう?
「暮らしていけるだけのお金が稼げること?」それとも「勤続年数が長いこと?」一人ひとり違うと思います。
双極性障害を抱えている自分にとっての「働く」と普通の人にとっての「働く」の考え方は違います。
私にとっての「働く」とは、「一人暮らしが続くほどの稼ぎがある」かつ「最低でも1年以上は同じ職場で働ける」こと。
双極性障害の患者さんの声をX(Twitter)で見ていると、「症状が安定せず、同じ職場で続かない」「うつ状態になると休みがち」「(休むことで)同僚や上司に迷惑をかけてしまう」「病気であることを説明しても「嘘つき!怠け者!」と言われてしまう」といった声が多かったです。
一生治らない病気だからこそ、病気から逃げることもできない。
これが双極性障害を持った人が働くことの現状です。
この現状をご理解いただくと、双極性障害患者が「働けない」理由を知っていただけるでしょう。
「普通に働ける」ことがどれだけ幸せなことか、と私たちは感じてしまいます。
双極性障害でも仕事はできるの?働くにはどうすればいい?
とはいえ、双極性障害を持っている人全員が働けないわけではありません。
自分に合った無理ない働き方で少しだけお金を稼ぎ、障害年金をもらいながら生活している人もいます。
障害を持ちながらも働いている人は確かにいらっしゃいます。
特に双極性障害2型の患者さんは無理ない範囲で働いている人も多いです。
働くにはどうすれば良いんでしょう?答えは簡単。
「症状が重い時は治療に専念」「症状が比較的安定し主治医からOKが出たら働く」のが最適解です。
あたりまえじゃないか、と思われてしまうのも納得です。
でもこれが答えなのです。
おすすめの職業はここではあえて触れないでおきます。
一人ひとり特性やできること、向いていることが違うからです。
双極性障害の患者さんは主治医がいることがほとんどなので、現在の病気の重さや、今働いても良いのか?逆に今は休んだ方が良いのか、を聞いてみると良いでしょう。
双極性障害の人に向いている働き方と職場
さきほど「おすすめの職業はここでは触れないでおく」と言いましたが、「向いている働き方や職場」はあります。
以下に箇条書きで書いておくので、障害を持っている人で、今の仕事が向いているかを判断したい人や、再就職でどんな職場が良いかを考える際の判断材料にしてください。
障害についてある程度理解があり、「合理的配慮」を行ってくれる職場
休みたい時に休める働き方
自分のペースで働ける職場
人間関係が浅めの職場
「働きたくない」「働かない」という選択肢があってもいい
もちろん、「働きたくない」「(障害が重すぎるため)働かない」という選択肢もあります。
どうせ就職しても病気のせいですぐ辞めるんだから、自分の体調を優先して働きたくないという考え方も。これも立派な考え方です。
病気のせいですぐやめるほどの体調であれば、主治医も判断できるはず。
患者の言葉だけで主治医は判断しません。客観的に患者の現在の症状をみて就労可能かどうか判断します。
主治医が「働いてはいけない」とドクターストップをかけるのは全て客観的な判断によっておこなわれます。
重度の難治性の双極性障害だとこの判断をされることが多いことも事実。
「働いてはいけない」イコール「働けない」につながるため、主治医に就労可否を判断してもらうのも大切です。
「働きたくない」は決して甘えではなく、現状を判断した結果そういった考え方に至ることも多いです。
また、「(症状が多すぎるため)働かない」の判断基準も主治医に任せることをおすすめします。
会社や上司側はどう思っているのか?
会社側や上司側から双極性障害患者を見てみましょう。
まず挙げられるのが「配慮が大変」ということ。
一般的に会社の上司や同僚は病気の知識が全くない、と考えた方が良いです。
「うつ病?あぁ名前だけは何となく知ってるよ」程度。
冷たく聞こえるかもしれませんが、現実とはこういうものです。
自分自身で障害について説明して、合理的配慮を求めるのが一番いいと私は考えます。
もしそれが難しそうならフリーランスとして働くのもいいですね。
自分のペースで働けますし、自分の体調によって休憩時間を決められます。
上司や会社にトラウマがある方や休憩時間を自分で決めたい方におすすめの働きかたです。
最後に
本記事では、普通の人には分からない「働けない苦しさ」について詳しく説明し、双極性障害の患者が感じる、「仕事」について自分自身の思いを素直に書いてみました。
当事者目線だけではなく、会社や上司が双極性障害の患者さんに感じることも(冷酷ではありますが)書きました。
疑問点や、「自分は働き方に関してこういった考えがあるよ!」のようなご意見はコメント欄にてぜひ教えてください👇
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