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愚鈍
昨晩のお酒に眠らされた僕は
液体から固体へと状態変化するように形を成してようやく起き上がった。少し汗をかいていたのがその証拠だ。
起きてからはただ「眠りたい」という純粋な欲求に襲われ、茹ですぎたパスタのような意思の弱さはそれをいとも簡単に承認した。こうして僕の一日は鍋に張りついて残ったパスタ宛ら、終わるように始まった。
〈 余裕 〉という時間の生き方と逆行していた僕は「これならなんとか間に合うか」という時間に合わせて支度をはじめた。
なんともしても味噌汁とサラダだけは食べたかったし、
ベッドメイキングと歯磨きにも時間をかけたかった。
時間が無いくせに変なこだわりだけは義務のように主張をやめないのだからすこぶる厄介だ。何より、その自覚はあるのに結局それらを尊重してしまう僕がこの上なく厄介なのである。