「手技療法家が見る“手”の力と親子の関係性」
「手技療法家が見る“手”の力と親子の関係性」
私のような手技療法家にとって、商売道具は自分の「手」です。
「手」で患者さんの体に触れることで、その体調を読み取り、さらに「手」が触れることによって患者さんの心にも気づきをもたらします。しかし、これは一時的なものであり、根本的な治療には至らないことが多いのです。
これが「手」の持つ効果だと感じています。
ただ、どれだけ優れた「手」を持つ手技療法家であっても、到底かなわない「手」があります。それは「母親の手」です。
母親に触れられた感覚は、消えることなく記憶として子どもに残ります。私も子どもを施術する中で、このことを強く感じてきました。子どもが体に症状を出すとき、多くの場合、その心理の裏には、親から体や心に触れてほしいという願いが隠されています。その原因は、親が子どもに対して体も心も触れていないからです。
子どもはさまざまな症状を通して間接的に訴えかけてきます。そして、これがエスカレートすると、アダルトチルドレンとして「自己がねじれた状態」を抱えながら成長してしまうことがあります。
また
親が亡くなっても親子関係は続きます。
子どもが幼少期に親に触れてほしいと症状を出していたように、大人になった「子どもたち」もまた、心の奥で触れてほしいと感じており、その代償行為が大人の世界にあふれています。
現実として、親子問題を自覚し、自立できている人は少ないのが現状です。
そのため、今の社会には病が蔓延し、親子問題を周囲に投影することで「かまってちゃん」や「サードパーティ」としての問題行動が横行し、霊障までも引き起こしています。
多くの問題の原因は、親子関係に根ざしていることがほとんどです。そのため、病気や症状は自らが生み出した結果であり、周囲に親子問題を投影してしまった結果とも言えます。
そして、親子問題を解消できず、まだ自立できていない手技療法家もまた多いのです。私自身、患者さんを通してこのことを学ぶ機会が多くあり、それこそが手技療法家という職業についた私の生きる意味であるとも思っています。
【大森裕介】
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