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気ままな鑑賞エクササイズ#7  カラヴァッジォ「ホロフェルネスの首を斬るユディト 」

1時間でnoteを1記事作る、エクササイズのような鑑賞をやっていこうと思います。記事を読むだけでも、同じように時間を測って擬似体験してみても面白いかも。

<ルール>
・以下の作品をまず3分鑑賞して、発見したことを書き出します。
・その後25分、書籍やネットで作家・作品について調べます。
・さらに3分鑑賞をして、再発見したことを書き出します。
・25分を目標に記事を編集します。
・気ままに不定期で続けます。

ちなみに作品の選定は、今読んでいるこちらの本に出てきたものにします。
では、まず作品を3分鑑賞して、発見したことを書き出します。

今回の作品はこちら
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・3分の鑑賞で気づいたこと

いやどえらいシーンですね。すごく劇場的な感じで、女の人が男性の首を切り取ってるというドラマチックな感じで。光はこの上の赤い布の方から・・いや、画面左から来てるのかなあ?

でもすごくこうなんだろうな、女の人の顔がなんだか「引いてる」と言うかね、嫌そうな感じと言うか、あの人にちょっと似てるような気がしますね、あの、アベンジャーズの誰だっけ、スカーレット・ヨハンソンかな。はい。で、上のなんか赤い布、これもスカーレット的な色だったりして・・

なんかこの血がちょっとわざとらしいって言うか、嘘っぽいですよね。この絵はカラヴァッジオの絵だと思うんですけど、この前カラヴァッジオの絵を見て調べた時に、モデルさんを本当に立たせて描いていたって書いてあって、だからこの実際にはモデルさんの首を切り裂けないと思うので、やっぱそこはちょっと血が嘘っぽくなったのか・・

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でも逆にあれなのかな?吹き出してる様子を誇張して描いてこうなったのかなあ?どうなんだろうな・・でもすごい男の人の表情もちょっと決まりすぎてるぐらいな感じかな、わざとらしいっちゃ、わざとらしいような顔だったり、ポーズだったりっていう感じもしますね。

おばあさんが・・おじいさん?右側のこの人はどういう立ち位置なのかな?この犯行と言うか、これを手引きしているのかな?こうグッと目を開いてね凝視してるっていう感じですけど・・

やっぱり黒と光の感じがすごく印象的ですし、上の赤い布が・・何だろうな劇場の幕と言うか、なんかそんな風にも見えて、やっぱりステージと言うか、セットと言うかそんな感覚が・・書き割りが後ろにあるようなそんな気がしますね。絵のために演出されている照明が明るくなったら、もうちょっとセットっぽいものがもしかしたら背景に見えるのかなとか、そんな風に思いました。

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・作品・作家について
カラヴァッジョ
「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」 1599~1600

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・30分調べたこと

*カラヴァッジォについては#4で一度調べたので、今回は作品を中心に。

カラヴァッジォが生涯で描いた10数点の斬首の絵の中でも最も危機迫る描写だが、彼の時代のローマでは公開処刑が行われ、斬首を目撃することも日常茶飯時だった。
「週刊美術館49 カラヴァッジョ ラ・トゥール」より抜粋
ユディト(Judith)は、旧約聖書外典の1つである『ユディト記』に登場するユダヤ人女性。

メラリの娘ユディトはマナセと結婚したが、夫を日射病で失って寡婦となった。彼女は美しく魅力的な女性で多くの財産を持っていたが、唯一の神に対して強い信仰を持っていたため、人々から尊敬されていた。

アッシリアの王ネブカドネツァルはメディア王との戦いにおいて自分に協力しなかった諸民族を攻撃するため、司令官ホロフェルネスを派遣する。ホロフェルネスは軍勢を率いてユダヤへやってくるとベトリアという町を囲んだ。水源を絶たれたため町の指導者オジアは降伏を決意するが、ベトリアに住んでいたユディトはオジアと民を励まし、神への信頼を訴える。

ユディトはそこである作戦をたてる。それはユディト自身が着飾ってホロフェルネスのもとに赴くというものだった。ユディトは神に祈って、ホロフェルネスのもとへ向かう。エルサレム進軍の道案内を申し出た美しいユディトをホロフェルネスは喜んで迎えた。ユディトは陣中で出される異邦人の食べ物を決して口にせず、4日待った。

4日目にホロフェルネスは酒宴にユディトを呼び出した。ホロフェルネスは泥酔し、やがて天幕のうちにユディトは眠るホロフェルネスと2人だけで残された。ユディトは眠っていたホロフェルネスの短剣をとって彼の首を切り落とした。

ユディトは侍女と共に、首を携えてベトリアの町へ戻り、事の次第を報告した。やがて、司令官殺害は包囲軍の知るところになり、激しい動揺を引き起こす。ユダヤ人はこの機会を逃さず、出撃し、敗走するアッシリア軍を打ち破った。

ユディトは105歳でなくなるまで、静かにベトリアの町で一人暮らした。

ウィキペディア「ユディト」から抜粋

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↑ジョルジョーネ:『ユディト』1504年頃

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↑ルーカス・クラナッハ:『ユーディット』1530

他にも様々な「ユディト」
https://commons.wikimedia.org/wiki/Paintings_of_Judith_and_Holofernes?uselang=ja

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・さらに3分の鑑賞で考えたこと

前回もカラヴァッジオは#4で鑑賞したので、今回はこの作品の画題の「ユディト」に注目して、有名なテーマでいろんな作家が描いているので、それを見比べるということでリサーチをしました。

ユディトは英雄、ヒロインというかね、ヒーローというような立ち位置なので、やっぱり他のユディト像っていうのは、もっとこう女神のような・・もしくは勇敢な戦士みたいな形で描かれているのが多い中で、カラヴァッジオのユディトはこうなんかちょっと嫌悪感っていうかね、自分のやってることに対して引いてる感じっていうのが、ちょっと珍しい感じはありましたね。

ま、他にも例えばクリムトのユディトなんかも独特の表情だなぁとか、

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クリムト:『ユディトI』1901

あとカヴァリーノっていう人のユディトも ちょっと独特だなっていう・・

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↑カヴァリーノ「ホロフェルネスの首とユーディット」1600年代?

そういうユディトとも何人かはいるんですけれども、嫌悪感っていうのはちょっとカラヴァッジオだけなのかなーって、ざっとこのページとかを見て思いましたね。

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後は首を切ってる瞬間を描くっていうのも、なかなかあのカラヴァッジオ以外っていうのは、あんまりいなくて、もう首を切った後で生首を掲げていたりとか、この横の人おばあさんらしいんですけど、持ってるのは袋で・・首を入れる袋ですね。これに首を入れてたり、この袋に首が入ってちょっと見えてるところがあったりとかっていう絵が多いんですけど、切ってる瞬間の絵を描いたってのもちょっと独特だったり、

カラヴァッジォ自身もう一枚1607年にも同じ画題で描いてるんですけど、それも切ってるところだし、

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カラヴァッジオに影響を受けたっていう、こちらの作家さんも同じくこうあの首を切ってる瞬間なんですが、

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↑ジェンティレスキ:『ホロフェルネスの首を斬るユーディット』1620年頃

まあそれ以前の作品は全体的にはやっぱりこう首を切った後って言う、一番画的にこうなんか決まる瞬間って感じだから、まあユディトもキメ顔っていうか、やったぞっていう顔をしてるのが多いんだろうなっていう風に思いました。

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後は他の絵でも結構赤い布がユディトの衣装だったりとか、背景だったりとか小物に使われているので、この赤の色っていうのは、ユディトのこの場面を何か象徴するそういう小物、演出する小物なのかなっていうのは共通性として少し思いました。

この今回のカラヴァッジォのユディトが一番なんだろうな・・現実味がと言うか・・なんか親近感っていうかね、そういう・・服装とかも含めて、そんな気がしますね。もっとすごく着飾ったユディトもいる中で、一般の人っぽい服をしているところとか、実際の街で処刑の瞬間をカラヴァッジオ自体が見ていたっていう、作者の日常と繋がるところとかも、もしかしたらあるのかなっていうふうに調べて改めて見て思いました。 

あなたにはどう見えましたか?
また次回!


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