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61歳FIRE生活#5 :57歳シニア転職先での現実と学び...燃え尽きた

元取引先へ無事転職を果たした僕は、そこで3年間お世話になり、自らの意思で60歳の節目で職を辞した。

限界だ

「心から疲れた」という思いと、「やれることはやった」という思いが交錯する。

シニア転職でわかったこと

シニア転職は難しいと言われるが、どこまでやれるかを試したかった僕は、そこそこ名の知れた大企業管理職から、長く業績が低迷している中堅企業の法人営業事業 責任者として転職した。

友人たちの忠告

友人たちからは、「なぜ安定を捨て、わざわざ苦労する道を選ぶ?」「中堅・中小企業ビジネスはきついぞ!」「畑違いの業種への転職は無謀だ」という忠告が多かった。

あとになって、この忠告は事実だったと、しみじみ感じる。

友人の忠告はもっともだった

転職先で待っていたもの

元取引先で経営陣とも付き合いがあった。初めての転職でも、緊張することなくスタートは切れた。

むしろ、緊張していたのは、僕が担当する事業部門に所属する面々であった。長年の事業低迷で組織も人も硬直化している中へ、突然外部から、しかも創業社長の肝煎りで転職してくる責任者。

ずいぶんな警戒と気遣いを感じた。

ひたすらメンバー全員とコミュニケーションを取った。
事業や商品、顧客のことはもちろんだが、メンバーのモチベーションの低さが気になった。
何が足りて何が足りないのか、なぜここで働いているのか、目標は何か、どうなりたいのか...

聞けば聞くほど、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまったような気がした。とめどなく出てくる批判、中傷、諦め、コンプラ欠如。

数値目標未達や商品トラブルもさることながら、組織内でのメンバー同士の揉め事が絶えなかった。

複雑に絡み合った糸を解きほぐすような日々。
そのさなかにコロナ禍がやってきた。そして、コントロール不能のリモートワーク。

転職して学んだ三つの教訓

朝昼晩、休日も費やして業務改善に奔走する中で、ボロボロになりながらも、還暦を前にして学んだことは、三つだった。

◎ 世の中には、びっくりするほど色んな考えの人がいる

◎ 向上心がないのではない、向上の仕方を知らないのだ

◎ 売るモノ、売るヒト、売るシステムは、与えられるものではなく、自分達でつくる

新卒で大企業に入社して30数年を過ごし、多くの経験をしてきたはずであった。でも所詮、井の中の蛙だった。

良くも悪くも、大企業時代の働く仲間は、経済的にも恵まれ、突飛な人は少なかった。ましてや、社内で大声の喧嘩なんて見なかった。
そして、これが世の中の一般的な姿だと思っていた。

人事異動、転勤、昇進試験を繰り返す中で、知識や技術、処世術を学び、階段を一段一段登っている感があった。

売る商品は企画部門が考え、営業要員は人事部門が手配し、販売システムはIT部門が構築していた。

全力で駆け抜けた3年間

法人営業事業の再構築

それからの僕は、大きく二つの打ち手を決めた。
◎ 人への投資
実現したかったのは、意思疎通とベクトル合わせ。そして、将来に向けて僅かでもメリットあるスキルや資格を身に着けることで、成長を実感してもらうこと。

◎ ITSの導入
属人的な営業活動からの脱皮を目指し、大手企業なら常識化しているITシステムとWEBマーケティング導入で、本来の営業活動に専念してもらうこと。そして、そのノウハウをビジネス化すること。

その最中にコロナ禍がやってきた。
その後の大混乱は、言うまでもない。
リモートワーク、ビデオ会議営業、衛生管理…

何をすべきか、わからぬまま突っ走ったが、案ずるより産むが易し。
成るようになった、と言うのが後々の感想だ。

でも、最後までメンバー同士の人間関係改善には手こずり続けた。

”バーン・アウト” 僕は燃え尽きた

転職して2年半が過ぎた頃から、燃え尽き感を感じ始めた。
メンバー同士のいざこざの話を聞くたびに、心拍が高鳴る。

どこにいても、何をしていても、仕事が気になって仕方がない。
会社の携帯から離れられない。明らかに神経が高ぶっている自分を感じる。

歳のせいか、ストレスのせいか、夜更けに目が覚め、朝まで眠れない日が増えていった。

限界だと思った。

退職を前に思ったこと

僕自身、何のために働くのかを何度も問い直した。
人生を楽しむために、と言いたいところだが、そんなカッコいい話はなかった。
答えの出ないまま、僕は、60歳というタイミングを捉えて、退職を決意した。ありがたい話で、ずいぶん引き留めの言葉ももらったが、限界だった。

大変な苦労をした転職先での3年間であったが、得たもの学んだものは大きかったと思う。

あのまま大企業で定年を迎え、その後も再雇用・嘱託勤務をしていたら、決して知ることのなかった世界。また一つ経験が増えたことを素直に喜びたい。

そしてもう一つ、縁あってお世話になった転職先の人達の幸せを願わずにはいられない。

こうして、僕のアラ還チャレンジの第一幕は終わった。

第六話につづく

[61歳FIRE生活]
#1:役職定年後の生き方を考える…惑う56歳
https://note.com/yuruyuru360/n/n429a0e9dbc87
#2:56歳で選んだシニア転職と老後の対策…今やるしかない
https://note.com/yuruyuru360/n/n570a020157f5
#3:56歳役職定年後に挑む、転職市場の実態と成功の秘訣
https://note.com/yuruyuru360/n/n141c24bdf24b
#4:56歳の投資初心者をFIRE生活に導いた2冊の本と成果
https://note.com/yuruyuru360/n/n1ddb8309b2be
#5 :57歳シニア転職先での現実と学び...燃え尽きた
https://note.com/yuruyuru360/n/naed117f418e9
#6 :引退&専業主夫を決意させた「DIE WITH ZERO」で自由に生きる
https://note.com/yuruyuru360/n/nd71ac54682f1

#note #人生 #定年 #退職 #引退 #転職 #還暦


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フレッド@FIRE専業主夫の日々
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