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わたしが海を好きな理由

わたしは海が好き。
小さい頃からよく連れていってもらった沖縄の海は、太陽の光をキラキラ反射して透き通るような青が本当に綺麗だった。
夕方、遊んで疲れきったわたしは木陰に座って、波がだんだんオレンジ色に染まっていくのを眺めたの。
その景色をいつまでも見ていたいなんて子供ながらに思ったな。


学生時は神戸の学校に通ってた。
山と海に挟まれた坂の多い所で、街並みも大阪と違いごちゃごちゃした感じがなく、どこか洒落ててすごく新鮮だった。


学校から南に15分ぐらい歩くと、神戸のシンボル〝ポートタワー〟が建つハーバーランドに着くの。
そこは海がとても綺麗に見える場所で、近くに噴水があったり、波打ち際には休憩できるベンチが置いてあった。


そのベンチに座って、周りの喧騒を遠くに感じながら、海をぼーっといつまでも眺めたの。
心穏やかになる本当に大好きな時間だった。


記憶にあるいちばん綺麗な沖縄の海より、神戸の海は暗く澱んだ色だったけど、それでも波が全てを包み込んでくれる気がして、海から目が離せなかった。


わたしはいろんな事をひとりで思い悩んでしまう癖がある。
学生時もいろいろな悩みがあったの。
人に打ち明けたり相談する事ができなかったわたしは、ひとりでよく海に行ったな。


海は悩みを聞いてくれたりなんかしないけど、感情を波にさらって遠い所に流してくれるような気がした。だから、わたしは海が好き。
広い海にはたくさんの思いが流れているんだと思う。
わたしと同じ様に物思いにふけって海を眺めた人がどれくらいいるのかな。


夜のハーバーランドは昼間と違ってとっても静か。
真っ黒で黒い海を、ライトアップされたポートタワーが見下ろしてる。


前に、友達が「夜の海って怖い」と言っていたけど、わたしはちっとも怖くなんてなかった。
むしろ、昼間と違い全てを飲み込むような黒いうねりを心地良いとさえ思ったの。


上京してきてもう4年経つ。
辛い時は今でも海を見に行きたくなるけど、思い出の中の海の景色がわたしにそっと寄り添ってくれている。


東京はなかなか海に行く機会が無いね。
また、ゆっくりと海を眺められる時間が作れたらいいな。

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