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瀧波 わか
2018年11月9日 17:31
髪の毛というものは、恋人の頭についている時は、こんなにも愛しいのに、床に落ちた途端、おぞましいものに変わるのは、なぜだろう。大学生の頃、辞書を片手に読んだフランス人作家の小説に、こんな一文があったことを覚えている。詩的でなめらかな文であったのに、その生活感あふれる描写がとても気に入り、当時愛用していたルーズリーフバインダーの裏表紙に、原文を書き写して持ち歩いた。私はこの作家の感性に、こ
マミコ
2021年4月14日 15:43
母は私にあまり興味がないと思っていた。明るくて常にテンションが高くて、漫画の世界から飛び出してきたようにおっちょこちょいで、悩みなんて全然なさそうに思っていた母。でも私はそんな母と暮らしていた頃(二十歳まで)は、別に仲良くなかった。仲が悪いわけではないけど、明るすぎる母を冷静な目で見ている自分がいた。私は中学~高校くらい、いわゆる思春期にはしっかりと反抗期があり、激しくはなかったものの、と