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2025年文学フリマ京都9はこんな感じだった
⚪︎2回目の文学フリマ。ちょっとつかめたコツ。
1月19日、京都で行われた文学フリマに行ってきた。昨年行ったときは、初めての参加ということもあり、勝手がわからずぼーっとしたまま、なんとなく流れゆくまま終わってしまった…という感じだった。
けれど、今回は2回目。あの熱気の感じは大体わかっていたし、前回よりかは周りをみる余裕もあり、楽しむことができたと思う。
フォローしているnoterさんの出展も大きかった。「今日はここのブースに行って、noterさんと会う!」とはっきり決めていったのがよかったのだろう。
何せ1,000を超える出展数。ゆらゆら人波を縫っていくのは、いささか頼りない。それはそれで本や人との出会いがあり楽しいのだけど、すぐに雰囲気にのまれてしまうわたしは、きちんと目的を持って回るほうがいいらしい、ということがわかった。
その道中に、本や人との出会いがあれば、またいいじゃないの。素敵。文学フリマを旅の縮図のように考えて歩くのが、コツなのかもしれないと思った。
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⚪︎文字の向こう側の、noterさんに会えた
⭐︎中島 浮世さん
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いつも食べものの描写や例えがきめ細かくて、美味しそう、なんでこんなにリアルにかけるんだろう、と思いながら読んでいたnoterさんである。
文学フリマに出展されると知り、またシンプルな装丁やタイトルが美しく、行ったら是非手にとりたい、と思っていた一冊である。
紙の本として改めて文章を読むと、もう書かれている食べものそのものが、わたしの目の前に用意されているんじゃないか、という感覚に陥る。特に『バターという悦びによせて』のそっとナイフをいれたときからの描写は、はわわわあ…とこちらもバターを口にいれたような、気分になった。まさに飯テロ!
「いつもnote読ませていただいています」と、緊張でじんわり汗をかきながらお伝えすると、とてもにこにこ対応してくださったのが、うれしかった。
もうひとつ「1月18日のオムライスとエビフライの画像も大変食欲をそそりました」とお伝えしたかったが、わたしにそこまでの余裕はなかった…!
仕事の帰り、電車に乗って『重箱は隅が美味しいの』を読みながら、今日の晩御飯を何食べようかと考えている時間がとても楽しかったです。ありがとうございました。
⭐︎小澤仁美さん
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小澤さんの文章には、たくさんのハッとする気づきがある。様々な職種を経験されているからだろうか。その経験から必ず気づきを見出し、最後は前向きで終わる、という文体がとても好きだ。そして、面白い。
「ああ〜よくぞ言ってくれました!そこ!」というかゆいところに手が届くような、そんな文章を書いてくださるので、読んでいるこちら側がすっきりした気持ちになる。
成長する上で、「なぜこうなったか」という分析は必須だ。小澤さんは書くことにより、嫌なことから目を背けず、客観的に自分を捉え分析し、次に活かすための努力を怠らない、頭の良い女性なんだろうなあ、と普段noteを読みながら思っていた。
ブースで「どういうふうに話しかけようか…」とタイミングをめちゃくちゃうかがっていたのだけど、yesちゃんをカバンにつけていたからか、「ハナムラさんですか?」と声をかけてくださり、大変うれしかった。実際お会いすると、文章で拝読するよりも、とてもシャイな印象だったけど、きっと色々気遣いができる方なんだろうなあ、と思った。
いざ紙の本としてうちにお迎えすると、『うれしくてうれしくて、私のドレスを抱きしめた』は、何度も読み返したい一冊になった。ネットで文章を読むとき、どうしてもさらさらと流れてしまいがちになるが、こうやって紙の本になると、お守りのようになって読み返せるので心強い。
毎朝『うれしくてうれしくて、私のドレスを抱きしめた』を読んで、「よし!」と思って家を出ると、なんだか元気が出ました。ありがとうございました。
⚪︎人の波を縫うなかで偶然出会えた本
⭐︎『いそがない』
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文フリの会場は大きく人も多いので、そのときに「いいなあ、またあとで寄ろう」と思っても、なかなか寄れないことが多い。そんななか、2回ぐらいその前を通りすぎ、立ち読みして、「やっぱりいいなあ」と思ったのが、ごはんとアパートさんの『いそがない』だった。
とても詩的で、瞬間瞬間を切りとった、やさしくてやわらかい文章だった。
⭐︎『わたくしがYES』(未読)
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少年アヤさんが本名で出した本、ということで、即購入。アヤさんの文章が好きで、前回文フリに参加したときも、株式会社rn pressさんから『USOvol.4』を購入させていただいていた。
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今回もおじいさんの話がもとになっているらしく、読むのが楽しみ。
⭐︎『気づいたこと、気づかないままのこと』(未読)
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⭐︎『青春ばかり追いかけている、なにもかも誰より1番慣れない』(未読)
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古賀さんの本…!と思いシカク出版さんのブースで購入。題名がいい。特に『青春ばかり〜』はバーコードがついておらず、なかなか手に入らなさそうな感じだったので(勝手な意見だけど)、出会えたのはうれしい。
⚪︎あれこれ思ったこと(参加者側から)
最初はみんな知らない人である。そして、知らない本である。知らない人から、ネット上で出会い、文章を読み、ほんのちょっぴり、知った人になる。それから、会いたいなあと思うようになり、こういったイベントがあることで会いに行ける。
知らない本から、その主人公を好きになったり、励まされたり、その本から色々なことを教えてもらう。ときにはその出会いが、人生を変える。
本との出会いも人との出会いも、本当に縁とは不思議なものだ。
そういえばみやこメッセの前で、たくさんの人がケバブのサンドイッチを食べながら、階段に座って本を読んでいた。隣に座った人は、もしかしたら作者と読者の関係かもしれない。もしかしたら同じ本を読んでいる可能性だってある。
そう考えると、また小さなご縁が、新しくこうやって生まれていくんだなあと思う。それがどこにつながっていくのか、想像すると、なんだかとても面白くてあたたかい。そんなことを思いながら会場をあとにした。
改めて、皆さまありがとうございました。
来年はケバブ食べたい。
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