わたしの知らなかったメロンパンのこと
「メロンパン」というと、どのような形を思い浮かべるだろうか。
わたしはまるいかたちに、まわりがクッキーサクサクの生地、真ん中は格子状のものを真っ先に思い浮かべるのだが、そうじゃない「メロンパン」もある。
そのことを初めて知ったのは、甲斐みのりさん監修の『地元パン®️ ミニミニスクイーズ』のカプセルトイだった。
わたしはこの『地元パン®️』シリーズのカプセルトイが好きで、発売すると全種類をまとめ買いしていたのだが、そのうちのひとつがこの楕円形のメロンパンのキーチェーンだった。
カプセルトイ上で初めて見た時、「あれ?メロンパンって書いているけれど、なんだかラグビーボールみたいだなあ、自分の知っているメロンパンとはなんか違う…!」と思った。
調べてみると、西日本の一部地域でこの形のものが売られており、中には白あんが入っているらしい。
これは一度食べてみたい。
このキーチェーンがかわいかったのと、実物のこのメロンパンが欲しくなり、自宅からそう遠くない距離だったのでお店を訪れることにした。
販売しているのは、京都の「ササキパン本店」さん。納屋町商店街にある大正時代から続く歴史あるお店だ。
着いたのは15時頃で、パンはほとんど売り切れて残っていなかったのだが、最後のひとつだけ奇跡的にメロンパンが残っているのを見つけたときは歓喜した。
ふと気になったのは、『メロンパン』のとなりに並んでいた『サンライズ』と書かれたパン。円形で真ん中がふっくらふくらんでいて、格子状。わたしがパッと頭に思い浮かべるメロンパンに近い。
「え、サンライズって書いているけれど、これってメロンパンじゃない?」と思ってしまった。
なぜ「サンライズ」という名前で売られているのだろう。メロンパンとどう違うのだろうか。
こちらも調べてみると、どうやらこの円形上のメロンパンを、同じく西日本の一部地域で「サンライズ」と呼ぶ地域もあるらしい。
かたちも名前も違うメロンパンが、それぞれ隣同士に並んでいる。そんなちょっと不思議な光景を、一部の地域では見れるということだ。
なぜ、それぞれのメロンパンが、そのように呼ばれるようになったのか。
諸説あるのだが、
① 楕円形メロンパンのモデルはマクワウリだった説
②円形メロンパンは、戦後「サンライズ」という品種のメロンが栽培されていて、そこからそう呼ばれるようになった説
がある。
どちらがいいとか悪いとか、正しいとか正しくないとかではない。いずれもそれぞれの背景や歴史があっての「メロンパン(サンライズ)」なのだ。
「またひとつ勉強させていただきました」という気持ちと、改めて「自分の知っていることだけが全てではない」ということを教えられたような気持ちになった。
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「メロンパンってこうでしょう?」
そんな先入観や思い込みにしばられていた自分を、少し反省した。
これはメロンパンだけにいえることではない。自分が育ってきた環境、時代、暮らしによって、様々な先入観や思い込みがあふれている。
それは仕方ないことなのかもしれないが、いかにそのこと(背景や歴史)を知り、違いを「面白がれる」か。それこそが「多様性の社会を生きる」ということではないだろうかと、買った2つのメロンパンを手にしながら思った。
家に帰って、すぐに買った『メロンパン』を食べる準備をする。初体験の楕円形メロンパンは、中をわると白あんが下の方にぎっしりつまっていて、こうやって見ると、大きい和菓子のようだ。
一緒に牛乳を合わせようかと思ったのだけど、残念ながら家に牛乳がない。和菓子みたいだから緑茶が合うかなあと思ったけれど、一口食べてみるとやっぱり牛乳がほしくなる味だった。
今度ラグビーボールみたいなメロンパンを買ったときは、是非、抹茶ミルクを合わせてみたい。きっとこのメロンパンに、よく合うだろうなあと思いながら、部活帰りの学生みたいに、口を大きく開けてあむあむ食べた。
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⭐︎ササキパン本店⭐︎
住所 : 京都市伏見区納屋町 117
営業時間 : 午前 7時 ~ 午後 6時
定休日 : 火曜日
TEL : 075-611-1691
ありがとうございます。文章書きつづけます。