相手が誰でも納得するWBSを作る手順
お疲れ様です、ゆーろー@常駐しないPMOです。
わたしがプロコンサルとして参加しているiPM naviのコラムをご紹介します。
writing by MASA
*このコラムはiPM naviで配信しています
進捗会議では、報告書が必須です。
その際、WBSスケジュールを使って報告すると参加者もITプロジェクトの状況を理解しやすいものです。
しかし、会議体の種類に応じて複数のWBSスケジュールを用意するPMがいます。
これは、非常に非効率なマネジメント資料の作成となります。
一つのWBSスケジュールで、立場の異なる相手が理解できるように工夫をしてください。
こんにちは、プロコンサルのMASAです。
iPM PREMIUMで運営しているオンラインサロンでは、プロコンサルが企業さまのPMへ個別のレクチャーやプロジェクトの後方支援を行なっています。
その活動を通じて、プロジェクトを成功に導くために活用した大手コンサルファームならではの特別なノウハウやメソッドをコラムにしています。
今回のコラムは、IT企業でPMをやっている30代後半の方からのご相談となります。
PMからのご相談
■相談者
IT企業でPMをやっている30代後半
■相談内容
わたしは、IT企業でPMをやっている30代後半のサラリーマンです。
PM歴は8年で『ややベテランPMの域』に入ってきました。
①現在、わたしが担当しているITプロジェクトは、月に3種類の進捗報告会を実施しています。
②進捗報告会の種類は、『週1回の開発チーム内の進捗会議』『隔週のお客さま担当者向けの進捗会議』『月1回のプロジェクトオーナー向け進捗会議』です。
③わたしは、各進捗会議に応じてWBSスケジュールの種類を変えて報告しています。
当初、種類を変えて報告することは効果的と考えていましたが、複数のWBSスケジュールの作成工数がマネジメント工数を圧迫するようになりました。
④これ以上、マネジメント工数を増やすわけにもいかず、各会議体で必要とされる報告内容が盛り込まれた1種類のWBSスケジュールを作成したいと考えています。
どのようなフォーマットを準備すれば良いでしょうか?
■相談のポイント
①相談者は、会議体の種類に応じて異なるWBSスケジュールを準備している。
②しかし、WBSスケジュールの作成がマネジメント工数を圧迫している。
③相談者は、各会議体で必要とされる報告内容が盛り込まれた1種類のWBSスケジュールを作成したい。
こんな時は、こうしてみれば良いですよ!
このように前提条件を整理しました。
・相談者のWBSスケジュールにおける進捗情報は正確である。
・ステークスホルダーは、WBSスケジュールのフォーマット変更に異論がない。
ITプロジェクトのステークホルダーは、『開発メンバー』『お客さま担当者』『プロジェクトオーナー』と大別できます。
進捗報告会において、各ステークホルダーが知りたい情報はそれぞれ違うはずです。
そのためには、1つのWBSスケジュールフォーマットに各々の知りたい情報を盛り込めば良いのです。
それではどうやって、一つに盛り込んだWBSスケジュールフォーマットを作るのでしょうか? アプローチしていきましょう!
アプローチ1
プロジェクトオーナーの知りたい情報として開発工程WBSを作成する。
当該プロジェクトは、どのような作業工程を踏むことによってシステムが完成されていくのかを時系列で書き出す。
アプローチ2
お客さま担当者の知りたい情報として成果物WBSを作成する。当該プロジェクトで『なにを作るのか』ということである。
そのため、各開発工程で必要となる成果物をタスクの順番に従って書き出す。
アプローチ3
開発メンバーの知りたい情報として作業WBSを作成する。
当該プロジェクトの各工程でどのようなタスクが発生するのかを時系列で書き出す。
その際、5W1Hを意識して書き出すのがコツである。
今回のテーマで注目して欲しいのが、ステークホルダー毎にWBSを作ることが大事ということです。
これは、相手に対して必要な情報と不要な情報を使い分けることになります。
ただし、ステークホルダー毎に進捗情報で利用するWBSスケジュールを作って更新するのは、非常に非効率なことです。
そのため、アプローチ1からアプローチ3を順番通りに行うことで、最終的に全てを包括したWBSスケジュールが完成するという方法をお伝えしました。
会議の種類に応じて、作成したWBSの必要な範囲を切り出して報告資料に使うことことで、PMの事務工数も削減されます。
■開発チーム内の進捗会議
『開発工程WBS』を切り出して報告する。
■顧客担当者向けの進捗会議
『成果物WBS』を切り出して報告する。
■プロジェクトオーナー向け進捗会議
『作業WBS』を切り出して報告する。
ぜひ、参考にしてください。
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最後まで読んでいただき有難う御座いました。