スクールカウンセラーの視点から考える、承認と自己実現について(前編)

マズローの欲求段階設というのをご存知でしょうか?

割と使い古された感のある考え方かもしれませんが、人間はまず生命を維持するための欲求があって、それが満たされると今度は安全でいたいという欲求が高まり、次には他人とかかわりを持ちたかったり、愛されたいと感じたりという欲求、そして存在についてほかの人に認めてもらいたいという承認欲求、その次にやっと、自分の能力を精一杯発揮したい、誰かの役に立ちたい、といった自己実現をしたい欲求が生まれてくるという考え方です。

すごくわかりやすい説明をしているサイトを発見

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これを児童生徒の支援で考えてみるっていう発想を今までしてこなかったんですが。

考えてみると確かに回復や学校適応の過程でも、この段階を通っている気がします。


前提が満たされていないから起こっていることもある


学校は知識や社会性を身に着けるためのところですが、御飯が十分に食べられていなかったり、家庭や学校の中で暴力が振るわれていたら、エネルギーや意欲を自分の成長に向けることは難しくなります。

そういった子供たちは、自分を守るために学校に来なくなったり、反発したり、引きこもったり、他人とのかかわりを断ったり、様々な方法で自分の心と生命を守ろうとするはずです。

学校は本人や家族、または関わっている先生の努力やがんばり、熱意などで何とかさせようとしますが、自分の成長に取り組む以前の前提が満たされていない限りは、その子が自分自身の成長のために頑張る、なんてことはとても難しいことだと思います。

その前提をちゃんと見れずに、その可能性を切り捨てて「あいつはやる気がない」と非承認のラベリングをしてしまう教師もいらっしゃるのではないでしょうか?

「あの子は人と関わろうとしない」って大人が思ってしまう子の「クラスになじもうとしない」ように見える子の安全の欲求は、生理的欲求は確保されているのでしょうか?


チーム学校・多職種連携とは?

文科省でもチーム学校構想が進んでおり、公認心理師資格においても多職種連携というのが強調されています。

子供たちが学習や、クラスの目標に向かっての努力ができないときに「その前提にあるものが確保されているのか?」というところに目が向けられることがまず必要で。

さらにそこから教員と一緒に子供の安全や成長に寄与する具体的な計画介入をするのが、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーといった教員以外の職種の専門性なのではないかと思います。

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