「短歌人」2024年2月号掲載作品
モモ
切り抜きはエンデの死去を告ぐる記事函入り本の『モモ』に挟まれ
一刷の発行年は一九七六年わが生まれ年
祖母逝きし雪深き冬くり返し読みたる『はてしない物語』
美しい二冊の本が書架にあることを支へに生き延びて来し
引越しや蔵書整理の幾たびを経て残りたるエンデの二冊
暗記するほど読みしゆゑもう読まずされど手放すこともできない
モモは桃。桃は生命のシンボルと知らざるままに名づけしエンデ
※同人2欄、冨樫由美子
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