料理の美味しい温泉(女将さんの手料理限定)19
私は、鄙びた温泉が好きなので、泊まる旅館はどうしてもご夫婦や親子で家族経営されているような小さな旅館になります。そのような旅館だと、基本的に食事は女将さん、たまーにご主人や息子さん、娘さんが食事を作ります。
立派な板長さんが作る豪華な懐石料理にも憧れますが、私は郷土料理が好きなので、その土地の旬な物や名産を使った家庭料理がうれしいです。初めて見るもの、食べるものはワクワクします。
私の独断と偏見による温泉もよくて、女将さんの手料理が美味しい温泉を紹介します。18はこちら。
最近は素泊まりで、夕食は外食や、買ってきたものを旅館で食べたりが多かったので、このマガジンは久しぶりの更新です。
今年は自炊にもトライしたいと思っているので更新は少なめかもしれません。熊本での温泉巡りで泊まった2軒がこのマガジンにピッタリなお宿でした。まずは一泊目のこちら。
熊本 杖立温泉 葉隠館
杖立温泉は熊本と大分の県境にある鄙びた温泉街です。熊本はどうしても黒川温泉にスポットが当たりがちなんですが、鄙びた温泉が好きな私はあまのじゃくなこともあり、違う温泉に行っちゃうんですよね。笑
突っ込みどころ満載の宿(そういうのが好きなので大はしゃぎ)だったので、正直食事には期待していませんでした。いい意味で裏切られました。家族経営のアットホームな宿です。
日本秘湯を守る会の提灯は何度も見たことがあるが、「日本の秘湯を守る」は初めて。ボロボロ。笑
さてお風呂です。これまた特徴のあるお風呂でした。
前方後円墳のような、ヴィーナスが鎮座する不思議風呂。源泉99度だからか壺からではなく、下の穴からお湯が出てます。壺から熱い湯は危険だものね。
お湯は塩化物泉で温まりの湯です。
さて夕食は半個室の食事処で。こちらの食事は薬膳料理。ゆるーい感じの宿だったので、どんなものかと思っていたらかなり本格的でした。お料理はご主人が全て作るそうです。
食前酒は自家製の果実酒。ビールをいただきました。
スタッフの方が丁寧に説明してくれます。八寸は上から時計まわりに干し大根の煮物、うなぎの肝煮、ぎゅうひ、ホタルイカ、枝豆、真ん中は海老とタコの甘辛煮。うなぎの肝煮はお酒のアテにピッタリな苦味のある大人の味。
お豆腐にはクコの実、端々に薬膳が。一つ一つ、丁寧に作られているのがわかります。
熊本と言えば馬刺し。これが絶品でした。料理少なめの一番安いプランにしたのに、馬刺しが出るなんて!コスパ良すぎです。
温かいお料理は後から熱々で供されます。しんじょ風の揚げものは外側カリサクに里芋のねっとり感と熱々あんかけがマッチして美味しかった。
チーズがのったグラタンのような洋風茶碗蒸しは濃厚で、コクがある。聞いてみるとなんと地元産のジャージー牛乳を加えているとのこと。
もう一個食べたいくらい美味しかった。
これで少なめなんて、普通コースってどんだけ?
最後の食事が薬膳スープ。これが絶品でした。漢方生薬を使っているのですが、全くクセがなく、鳥だしの効いたスッキリしたスープに肉団子になつめ、クコの実が入った本格的な薬膳スープ。赤米というのが新鮮で、普段はお腹いっぱいで最後のごはんは残しがちな私も食べきれてしまった。
デザートは牛乳プリン。これまたジャージー牛乳使用。フルーツ、それもイチジクが乗ったパティシエが作ったんじゃ?と思わせる一品だった。
阿蘇小国のジャージー牛乳は特産品なんです。
翌朝、男女入れ替えになった、もうひとつのお風呂へ。
こちらはどちらかというと「和」なお風呂でした。安定のライオン湯口は析出物がひげのよう。
朝風呂の後は朝食。
朝食は夕食とは違う、畳の大広間でした。たまごが温泉卵ではなく私の苦手な生卵であった。
配膳してくれたマダムが生卵苦手だったらお味噌汁に入れてねー!ってアドバイス。
お味噌汁は固形燃料で温める方式だったのだ。
定番の鮭じゃなくて、サバ味噌煮って珍しい。
野菜は地元の有機野菜を使用、山菜も地元のものだそうです。特産のジャージー牛乳や椎茸も使われていて、地産地消な食事。かつ、ヘルシーで美味しい。
さらに源泉掛け流しの温泉と蒸し風呂に入って、お肌しっとリツヤツヤ、健康になれちゃう宿でした。
Wi-Fiあり(弱い)トイレ、洗面所は共同。
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