衝撃の事実
と、娘からLINEの返事があった。
昨日、退院後の診察のため、総合病院の耳鼻咽喉科へ行った。
朝早くから専用シャトルバスに乗って。
駅から病院までを往復する、所要時間6分くらいの無料シャトルバスだが、このバスの運ちゃん(運転手さん)には思うことがあったので、最後、余白がありそうなら書こう。
耳鼻咽喉科の待ち時間は意外と少なく、すぐ診察室へ呼ばれた。
あの日の担当医が「どうも〜!」とばかりに元気よく出迎えてくれた。
まず耳の中を診た。異常なし。
次に真っ暗なゴーグルみたいなのをつけられ、ゆっくり左右に頭を動かされる。目の動きを診るのだ。
「大丈夫っすね!目は回っていません!先日の聴力検査も問題なかったし、一応これで来院は終了でいいでしょう!」
「あ、よかったです。ありがとうございます」
が、医師は私の声が気になるらしい。これは退院時にも言われていたことだが、一回調べさせてくれと。わたし、耳鼻咽喉科なんで!と。
このしゃがれた声とともにずっとこの人生を生きてきたので、今さら感は大いにあったが、ま、せっかくだし、全部診てもらおうと、鼻カメラに応じた。鼻からカメラ、だ。
カメラを入れる前に長い綿棒で鼻の中を麻酔した。コロナ検査のアレみたいな感じ。
看護師さんが「くしゃみは我慢してくださいねー」と言ったから我慢した。
非常にもぞ痒かった。もぞ痒いと言う言葉があるのかどうかは知らないが。
鼻カメラが喉の方まで入る。
鼻の奥を通る時、「うっ」となったが、「今、峠は越えました」と言うので泣かずに気持ちを落ち着けた。
そもそも泣くな。
カメラに私の声帯が映る。
カメラが入ったまま「いーーっと言ってください」と言われたので「いーー」っと言った。素直で模範的な患者だ。
終了。
スルスルとカメラが抜かれていく。
「原因がわかりました」
「!?」
医師が写真を見せてくれながら言うには、まず、腫瘍のようなものはない、ということ。
そして、私の右の声帯が左より細いと言うのだ。
確かに写真を見るとそうだ。明らかに大きさが違う。そもそも自分の声帯を見たのは初めてだ。
次に「いーーっ」した時の写真を見る。
左右の声帯がくっついているのだが、右が細いため少し隙間が空いている。
「これです。これがしゃがれの原因です」
なんと!
普通は隙間は出来ず、この声帯の振動で声が出るらしいのだが、繰り返し言うが私は右の声帯が細いから隙間が出来てしまい、そこから振動が漏れ、声がしゃがれるのだと。
なんと!
生まれつきっちゃあ生まれつきだが、まさか声帯が、右の声帯が細いゆえの、この声だったのか!
初めて知る真実。
ま、肝心のめまいの方は、結局原因ははっきり分からなかったものの、もう薬も通院もいいと言うことだ。
そして医師がしきりに心配していた私の声も、別になにか病気が原因しているわけでもなかった。
「ありがとうござざしたー」
若干噛みながら診察室を後にし、とにかくこの話、そう、声帯の話を早く誰かにしたくて、会計待ちの間に娘にLINEした。
その返事が、冒頭の、いやこのnoteのタイトルである。
原因なんて考えたこともなく50年この声とともに生きてきた。
中学の時には、クラスの男子から「声がおっさん」とも言われた。
今になって知る事実。真実。
声については以前にも書いた通りだが、なるほどそういうことだったのかぁ。
あ、もうすでに1300字も書いてしまった。シャトルバスの運ちゃんのことが書けないではないか。
仕方ない。運ちゃんのことはまたの機会にしよう。
これからは、声のことを聞かれたら「子どもの時からです」ではなく、「ええ、私の声帯は右が少し細くてですねぇ云々」と、したり顔で解説しようと思う。
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