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河﨑秋子『愚か者の石』読了。誰が悪い訳でもない。そんなことってあるよね🤔【ネタバレ0】

図書館に予約していたこの本を借りたのが先週のこと。2週間しかないし、私の後で5人待っているから早く読まないと!と旅先に持って行った。この一冊で2泊3日、十分に間に合うと思っていたら、1日目で全部読んでしまった🤣最後は高速バスの中で車酔いしながら、かなり粘って読んだぐらい面白かった✨

明治時代の囚人の話。去年、行った網走監獄を思い出した。もう使っていないのに、独特なじっとりした空気と匂い。嫌な気分はしなかったけれど、メンタルが弱っている時に行ったら、ドヨーンとなりそうな感じ。

その時はこの感覚はどこかで役に立つのかと思ったけれど、まさかこの本で同じような状況を読むことになるとは😳なんでも、体験しておくもんだと激しく納得。

本の中で出てくる親指の爪ぐらいの小さな水入り水晶。その辺の石に紛れ込んだら、きっとわからないぐらいなのに、いろんな人の人生を変える。これがなかったら、罪を負うこともなかっただろうにと思うと、複雑な気分になる。

河崎さんのお話って、『ともぐい』もそうなんだけど

ものすごい悪人って出てこなくって、日常の中にポツンと置かれた違和感っていうか、些細な部分の描写が鮮明でいつも、これは受け入れる人と、無理な人でクッキリと別れるだろうなあと思う。

『愚か者の石』もそんな感じ。私は受け入れる人である。なぜなら、淡々と鮮明な描写が書かれていると、頭の中でいろんな思い出が引っ張り出されたり、情景を自分の色で付けることができるから。妄想に近いかなあ🤔うまく説明出来ないけれど、河﨑さんの本は読む前から、どんな新しい世界が見ることができるのかとワクワクする😃そして、想像していなかった世界を目にして、より一層ワクワク😆

読み終わった最初の感想は

結局、誰も悪くないじゃん!

である。罪を犯した囚人だけど、半ば言いがかりだったり、冤罪だったりする人も中にはいて、今を生きている自分だって、いつそうなるかはわからないなあと思った。

そして、労働が過酷過ぎる💦今もこんなに過酷な刑務所ってあるんだろうか🤔出所したばかりなのに、とんぼ返りする人が後を立たないという話をなんかのテレビで見たこともあるから、ここまで過酷ではないに違いない。

網走監獄で見た労働のVTRもこの本を読んだ時にめっちゃ思い出した。吹雪の中、死ぬんじゃない!みたいなことを言っていたと思うんだけど、最新技術を駆使して吹雪を忠実に再現😳子供達はビビって、怖い!を連発😅長女など、あの吹雪はキツかったと今だに言う🤣もし内地の方で、吹雪体験をしてみたいなら、網走監獄かなりオススメ。

でも、実際はこれの何倍もひどかったに違いない。罪を犯した人とて、こんなに大変なことをしなければいけないものか🤔まして、冤罪なら尚更。

この『愚か者の石』を読まなければ、気づきもしなかった世界。実際に行った網走監獄は観光名所で、その時はちょうどゴールデンカムイで盛り上がっていた頃。全部見たけど、現実味はゼロ。なので、今はもう一度行ってみたい。私1人でゆっくり読後感も含めて思慮にふけりたいと思う🤔

凛として時雨『abnormalize(full ver.)』

出てくる登場人物に中田さんって人がいるんだけど、私的にはかなり推し✨そして、その方にテーマソングを付けるとしたらこれ!なんかねー
無機質な感じがいいのよ🤩情感たっぷりに歌い上げるのもいいけど、こうやって感情を抑えるように歌うのが絶対、中田さんっぽい😆

ついさっき初雪を見て、やっぱりこの本を思い出した。囚人として何年もいると、初雪など気が重かったことだろう。こうやって頑張ってくれた彼らがいるから、私は何一つ不自由なく生きることができる✨本当にみなさん、ありがとうございました🙏



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佐藤タイム
書くことが大好き💕喜んでは書き、落ち込んでは書き、浮かれては書き、書くことがすっかりライフワークに😆これからもずっと書いていきます😊サポートいただいたお気持ちは自分をたくさん充電🔌するために使わせていただきます✨目を通していただいて、ありがとうございます💓

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