人生の大半を○○として過ごすなんて耐えられない ~星の王子さまを読み終わったあとの人たちへ~ ②
こうして私は、今から2年前、我が家の庭に猫が捨てられるまで、心から話ができる人もいないまま、ひとりで生きてきた。今でもまだ、人間としてどこかが壊れている。子どもの頃から猫と暮らしたことがなかったので、いつか庭からいなくなるんじゃないかと何日も覚悟を決められなかった。猫はまだ小さくやせ細っていて、そのままでは生きるか死ぬかの問題だった。うちには、猫の飼育のためのものが何もなかった。
猫のケージを買って庭においた最初の晩、ケージの中の子猫が気になって、寝付かれなかった。大海原