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【教育】ニューロダイバーシティの勉強会で発達特性を学ぶ♯112

週1コマ、高校でジェンダー学を教えています。
コースの理念や特色上、発達特性を持つ生徒はじめ、様々なバックグラウンドを抱える生徒たちが通います。
その中で、個別最適な学びとは何かに取組み、試行錯誤しています。

先日、京都の探究学習教室、探究堂の代表、山田洋文さんをお招きしての勉強会がありました。参加は、コースの担任、科目担当者、また地域の教育、不登校支援に携わる有識者の皆さんと、科目でお世話になっている新聞記者さんの合計10名。
この参加者で、アクティブ・ブック・ダイアローグ(ABD)という読書会をしました。
こちらの読書法
・1冊の本を分担して読んでまとめる
・発表・共有化する
・気づきを深める対話をする
といったプロセスが含まれていますが、この方法を活用して、『ニューロダイバーシティの教科書 多様性尊重社会へのキーワード』(村中直人 著/金子書房)を一気読みしました。

neuro(「脳・神経」)、そしてdiversity(「多様性」)。
この2つの言葉から生まれたneurodiversity(ニューロダイバーシティ)は、「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方であり、社会運動を指す言葉です。
自閉症スペクトラム障害をはじめ発達障害と呼ばれる現象を、能力の欠如や優劣とは異なる視点、意味で捉えなおすための言葉であり、そしてさらには「すべての人の脳や神経の在り方」がその対象となる裾野の広さを持った言葉でもあります。
本書は発達障害に関わる支援者や教育者はもちろん、当事者やそのご家族、そして「多様性尊重社会の実現」に関心を持っているすべての方に「ニューロダイバーシティ」という人間理解の新たな視点をお届けする入門書となっています。

Amazon 商品説明ページより引用

こちらの本、133ページの本ですが、これを参加者10名で分担(なんとページを破る!)。
それぞれが自分の担当ページを読み込み、要点を紙に書きます。その紙を貼りだし、ひとり2分ずつで説明。
私が担当したページは、自閉症スペクトラムの脳の特性について書かれたパートでした。脳の特性を知ると、色々合点がいき、教室で起きる出来事に「なるほど!」と、理解ができました。発達特性をどのように捉えるかといった点についても、わかりやすく書かれていました。

普段、コース担任の先生と色々相談、話しながら、授業づくりをしています。校長も担任も、科目担当も、それぞれの生徒のバックグラウンドを知ろうと努め、また愛情を注ぎながら、かかわっていますが、教育の現場でいくら頑張ったととて、卒業後、その先にある社会、企業が、認知的多様性が低い状態で、いずれ、そこに合わせて行かなければならないであれば、辛いよなぁ・・・と時々思ったりもします。確かに、凸凹はあるかもしれないけれど、「扱いづらい人」と見なされることなく、尊重され、支援が必要な部分は仰げ、突出した部分を活かせる働き先、働き方はあるのだろうか、など思う部分もあります。
また、読書会のグループ対話の時間には、自身の特性を公表する著名人は沢山いるものの、そのような目立つ才能が見つけられない、活かせない人の苦しさはあるよね、といった話題もありました。

これらの悶々とした部分をより深めたいなーと参考になる動画を探していたところ、良いものを発見!
経産省主催のイベントで、この本の著者村中氏と、早稲田の入山章栄先生と
の面白い対談動画を見つけました!

◉村中氏の基調講演


◉村中氏×入山先生の対談動画


産業界でもニューロダイバーシティの考え方はイノベーションの観点からも注目をされているのだそう。
認知的多様性と心理的安全性が不可欠と論点で、対談を進めていらっしゃいましたが、その手法、考え方は、高校の授業作りにもヒントにもなりそう。

企業のイノベーションと同じような文脈言うと、このコースだからこその、イノベーション的な何かも生まれたりするのだろうか…
なかなか壮大な問いだけど、自分自身も理解を深め、授業でトライしたいと思います。

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