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タイパ重視から自分をいたわる食生活へ♯156
数年前、子宮頸がんの異形成がわかった時に買った本。
乳がんになり、改めてこの本を読んでみた。
この本には『病気と闘うために大切なことは、病気をつくってしまった原因を正すこと。』と書かれている。この筆者である川嶋先生は、がん患者さんと向き合う際、「どうして病気になってしまったか」と問いかけられるのだそうだ。
がんになった原因ねぇ・・・
そんなもん、わからん。
というのが当初の感想だった。
乳がんに影響するのは、女性ホルモン。
そのため、「乳がんの原因」として調べると
初経年齢が低い、妊娠・出産経験がない、授乳歴がない
などがあがってくる。
私自身、これらの条件に当てはまるものは正直、これといって思いつかない。BRCA遺伝学的検査も受けたが陰性。
内田春菊さんの『がんまんが 私たちは大病している』(P154)にも、医師のセリフで
「がんというのは難病(どうしてなるのかわからない病気)なのです」
というセリフがある。
私にとっても、「これが原因だ!」と断定できるものは正直すぐには思い浮かばなかった。
恒常的に強いストレスにさらされているわけではないし、ストレスを感じたとしても定期的にストレス発散はしている。
子供が生まれてからというものの、早寝早起き。運動もそれなりにしている。飲酒、たばこもゼロ。比較的健康的な生活を送っていると自負している。
ちなみに、1つの細胞が1cmのがんになるまで、10年かかるそうだ。
そして1cmのがんが2cmになるまでは、たったの1年〜2年だと言われている。であれば、私の場合は、恐らく20代の時にできたがんなのだと思う。
当時の生活習慣を振り返ると、まぁ、確かに「良い」と言えるものでは決してなかった。
当時は独身で一人暮らし。
早朝から深夜までただガムシャラに、タスクに追われながら働いていた。
会社がすべて。人の評価が気になり、それが自分を頑張らせる動機にもなっていたし、ストレス源にもなっていた。
当時、考えていたことは、いかにして仕事時間を捻出するか。
食べ物は空腹を満たせればいい。
自炊の時間がムダ。その時間があれば、仕事なり、寝るなりに時間を使いたいと思っていた。
朝はコンビニおにぎり、昼は同僚と外食、夜は飲み会orコンビニ
そんな日々が365日×10年間、続いていた。
今から思えば、確実に自分の身体を労る意識がかけていた。
結婚してからは、家族の健康のために、栄養バランスをなるべく意識してゴハンを作るようにはなった。
特別な料理は作れないが、家族の喜ぶ顔を見ることが、私の料理のモチベーションになっている。
正直、家族が居なければ、今でもコンビニ食、外食が続いていただろう。
ただ、自分自身について言えば、食卓に座ることもなくつまみ食い程度で済ませたり、お菓子で代替したり、ついつい適当に済ませてしまうことはいまだによくある。今もなお「空腹を満たせればそれでよし」の感覚が残っている。
そのような生活を送るなかでわかった乳がん。
今まさに、生活基盤を見直し、立て直している最中だ。
友人が作ってくれた「玉ねぎ麹」をきっかけに、発酵食についてもあれこれ興味を持ち始め、少しずつ取り入れている。
不健康な食生活が原因で、たちまち病気になるとは限らない。
ただ、不健康な食生活の積み重ねが、10年、20年先の自分の身体にも関係してくるのかもしれないな、と今回考えるように。
(今回の乳がんの原因が、食生活にあるかどうかは知らんけど・・・)
自分の大切な人に喜んでもらいたい、と思うのであれば、
自分のことをいたわる食生活に変えて行くことも大切だと考えるようにもなってきた。
今、小学生、幼稚園児の子供たちも、10年、20年先は、自立して、一人暮らしなんかもしているのかもしれない。
また交際範囲も広がって、何かしら社会的な役割を果たしていたりもしているのかもしれない。
そのような中で、10代、20代の頃の自分と同じように、自分の体力、若さを過信して、食や睡眠、生活基盤を度返しし、目の前のことに熱中する生活を送ってしまうのかもしれない。
病気になった自分が、子供たちに伝えたいことは、
「自分自身をいたわること」「自分自身を大切にすること」。
なかなか、若いうちは、わかりにくいかもしれないけれど
長い目で見たとき、良質な食や睡眠をもって自分の身体に投資することは大切だよ、と伝えたい。
今週末は、米粉クッキーや米粉ピザ、甘酒、甘麹パウンドケーキなど、健康に配慮した食事、お菓子を子供たちと一緒に作った。
「食べることは生きること」
私自身も子供たちと一緒に学び、実践していきたい。