【家族】家族=からまった毛糸。面倒くさくて愛おしい~「かぞかぞ」が気づかせてくれたこと♯102
夏休み、とにかく、毎日私の心はざわついていた。
基本在宅ワークのため、何かと融通が利く私。
地域の学童がキャパオーバーしているので小学生の息子は学童には入らず、娘も徒歩1分という立地が魅力の幼稚園に通っていた。
そのような中、問題になるのは長期休暇中の子供の預かり先。
息子は、親元を離れてキャンプに行ったり、息子希望のイベントの予定を入れて外で過ごしてもらう時間はつくるものの、基本は家にいる。学校の運動場の開放も連日の猛暑で中止。
娘の幼稚園も、盆を除き、預かり保育中はあるものの、基本ずっと同じ遊戯室で過ごすことになり、娘のストレスがたまるようなので、お迎えは16時。
不要不急の仕事はやらないと決め、夏休み中は仕事の時間を減らし、また、なるべく1対1で子どもとおでかけする時間もつくっていた。
そうは言っても、やらねばならないことはあるし、子どもが家にいると、集中したい環境で「ママ―」と呼ばれる。ケンカが起きる。何かにつけて事件が起きる。
それを基本、私が一人で対応する。
そんな1か月半を過ごし、たまった仕事を9月前半に怒涛の勢いで終わらせ、ようやく少し落ち着いたーと思えば、9月半ばになっていた。
この2カ月間、無性に大声で「うぉぉぉぉぉーーーーーーーーーー」と叫びたいと思う瞬間が度々あった。
そんな中、夏休み中にハマったドラマが
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった - NHK
通称「かぞかぞ」だった。
再放送もやっていたけれど、おもしろすぎて家事のお供にNHKオンデマンドで一気見。
ちなみに冒頭のタイトル、『面倒くさくていとおしい』も「かぞかぞ」のHPに載っていたキャッチコピーである。
「かぞかぞ」はどんなドラマなのかと言うと
毎日、個性豊かな家族のもとで事件が起きるけれど、七実、そして岸本家が一つひとつの出来事に向き合いながらも、突破していく爽快感がたまらなかった。
そして岸本家や岸本家を取り囲む人々とのやりとりが絶妙の笑いを誘い、気持ちを温めてくれる。
「かぞかぞ」の全10話が、夏休み、ざらつく私の心を癒してくれた。
そんな夏のある日、友人に家族について話をしていたとき、
「家族って喩えて言えばどんな存在?」と尋ねられた。
すぐに頭に浮かんだのが、からまった毛糸。
うん、家族って私にとっては
からまった毛糸のよう。
家族って、はじめは整ってはいるんだけど
月日が経つうちに、いつのまにかこんがらがって、
からまりあって、なかなかほどけなくなる。
無理に引っ張ったとしても、ダマができる。
しかし、同じからまるものであっても、家族は金属でできた「知恵の輪」とはちょっと違う。
そこには温かさがある。ぎゅっと包み込みたくなる優しさがある。
「しんどい」「しんどい」って言う私に、「ママのために卵焼き焼いてあげようか?」って言ってくれる息子と、
幼稚園で友達とケンカをし、気持ちが荒れていても、家では「ママ大好き」って言ってくる娘。
真冬にあたたかい毛糸をぎゅっとしたくなるように、
このからまった毛糸も、ぎゅっと抱きしめたくなる。
家族をからまった毛糸と見立てた時、私自身もからまった毛糸の一部なんだけど、そういう姿を俯瞰して、ぎゅっと両手で包みこむ私の姿もいた。
同じく、夏休み、シリア難民の子供たちの教育支援に取組むNPOのイベントに参加した。その際、シリア人の子供が言っていた言葉を聞かせてもらった。
「平和だから面倒い」
面倒くさいと感じるのは、平和だから。
しんどい。時にわずらわしい。
でもこのからまった毛糸の温かさを感じられること自体が平和なんだ。
「かぞかぞ」でハプニングがとにかくよく起きる岸本家。
ただ、それでも、主人公は、ふっと笑いに変えながら、
とにかく前に、前に、猛進し、その先に未来が開ける。
そして主人公のベースには、家族がいる。
私も、時に、からまった毛糸のど真ん中で
「わーーーーーーーー」と叫びたくなったとしても、
それが、また自分の心のよりどころになっている。
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