【仕事】組織に新しい風を吹かせるには?#007
今日はアトツギの立場になって、悩みの解決に役立った本と歴史上の人物をご紹介。(後半、会社員時代の反省、おススメの旅先も書いています)
自分の強みが活かせないと思ったら…
私が今働いている父の会社は、紆余曲折を経て、今は家族3人で経営している小さな会社です。なので一般的な事業承継と比べると、難易度はそれほど高くないのかもしれません。
しかし、自社の経営資源を使って自分がやりたいことをやろうとすると、父の価値判断に合わせていかないといけないので、調整コストもかかるし、スピーディに進められないもどかしさがあります。なので、やりたいことは、会社外で複業の形でトライすることに。(前回記事にも少し書きました)
一見、本業とかけ離れた複業をしようとしているので、「家業のほうは大丈夫?」と心配してくれる友人も…
正直、自分にも迷いはありました。そこで出会った本がこちら。
新規ビジネス、ファイナンス、人間関係など、様々な切り口で後継者へのヒントが書かれています。
イノベーションを起こすには「知の探索」が必要
この『アトツギベンチャー思考』によると、アトツギには「知の探索」が欠かせないとのこと。
著者山野千枝さんと入山章栄先生の対談ページで入山先生は「知の探索」についてこう触れています。
そして全力でやって結果を出して周囲を認めさせることが重要だとお話されていました。
また、愛聴しているコテンラジオ代表、深井龍之介さんも対談企画に登場。深井さんがプロイセンのフリードリヒ大王と先代の王である父とのエピソードを用いて、歴史上の人物の王位承継についてお話されていました。
フリードリヒ大王の人生はエピソードの詳細はコテンラジオフリードリヒ大王編(♯249-#260)を是非聞いてもらいたいのですが
簡単に紹介すると、軍人王と呼ばれた父に、啓蒙主義に傾倒するフリードリヒ大王は認めてもらえなかった。
ある日、フリードリヒは軍人王から逃れるべく、イギリスへの逃亡を試みたが失敗。その後、逃亡を援助した友人を目の前で殺されてしまいます。
波乱万丈を経て、フリードリヒは覚醒。父が築いた富国強兵策に、自身が重視する啓蒙主義に基づいた文化を取り入れ、プロイセンをヨーロッパの強国にのし上げました。
著者の山野先生は、フリードリヒ大王が、はじめから父親に従順になるのではなく、自分で自分の強み(しかも父とは真逆の)を育て、父親が築いた体制に生かしたことを踏まえて
と言い、深井さんは
「自分の強みを生かす」ことと「家業を引き継ぐ」ことを融合できるのはアトツギしかいないとし
と述べていました。
先代と同じことを同じやり方でしていても、次の時代ではたたかえない。
大切なことは、アトツギである自分が外で学んできた知識、経験で家業に「ゆらぎ」をもたらし、新たな概念をつくりあげることなんだな、と認識。
家業にどっぷりつかって、父のノウハウをただ、学んでいるだけではもったいない。父がまだ元気な今が、私が「知の探索」「知の深化」ができるラストチャンスかもしれないと背中を押してもらいました。
会社員にも言えること
これは、会社員の担当替えなんかでも言えることですね。
前任者と同じやり方で同じことをやってるだけでは変化なんて起こせない。自分が培った知識、経験を新たなフィールドで活かすことで、組織の新陳代謝を促すことができる。
書いてみれば当たり前のことですが、変化より安定を好む会社で働いていた会社員時代、担当替えがあっても、なるべく円滑に、混乱をきたさないようにと、前任者の踏襲に重きを置いていた自分を思い出したのでした。
外でしてきた経験に自信を持って、新たな業務にどう活かそうかと考え、実践できていたら、もう少し自分で仕事を面白くできたのかもしれません。
ただ、もう今は違う。
どっぷり家業につかるのは、もう少し先にして、新しい風を吹かせるために、複業の形でもう少し寄り道もしてみます。
おまけ
ドイツのポツダムという町にフリードリヒ大王ゆかりのサンスーシ宮殿があります。
去年、ベルリンに旅行に行ったときに、立ち寄ったのですが、ここも、今、行くと違う心境で楽しめるのかも。