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高さん作曲の日本語バージョン

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中国のシンガーソングライター、高さんの中国語の曲に、ユッキーが日本語バージョンで作詞したもの。 2022年、中国と日本で配信予定。
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最後のまたね

作曲    高謙恒
日本語作詞 ユッキー



朝の日差しにも春の匂い
門出を祝う鳥達のさえずり

人気のないキャンパスに一人来たんだ
さあ君と僕の卒業式をしよう

はじめて会った君はすごく真面目そうに見えて
僕の方は寝ぐせ頭  ボタンの取れたシャツ

英文科だった君と電子工学科の僕が
出会うなんて 本当に奇跡的だよね

少し歩こうか  よく行った角のカフェ
いつものね  そうさ合言葉
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故郷の風になって

故郷の風になって

もしも願い事が一つ叶うならば
故郷の野に吹く涼しい風になれ

幼き日にみんなで駆け降りた尾根の
足元の白い花は咲いているか
泥だらけで眺めた夕焼け空が
瞼に浮かんでる

雨の日は神社の軒先で
石を投げて遊んで叱られた
季節は過ぎ去っても君だけは
あの日のままの笑顔でいておくれ

窓の外に目をやれば
ゆっくりと流れる白い雲
子供の頃に唄ったあの歌が
聴こえてきた気がして

あとどれくらい残さ

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それぞれの華

それぞれの華

休みの静かな午後に一杯のお茶を飲んで
目を閉じれば浮かぶのは子供の頃の風景 

まだ若かった父さんとキャッチボールをした公園
母さんが作った弁当持って出かけた花見も 

春は緑で夏は黄色で秋は赤くて冬は白くて
それぞれの色それぞれの音それぞれの華
それぞれの匂いが

虫とり網を持って駆け回ったあの道
今ではアスファルトとコンクリートの街並み 

この辺りは全部田んぼで色んな生き物がいたんだ
雨の夜

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ハイキングへ行こう

ハイキングへ行こう

45分発区間快速のあの電車に乗って
目指すは君の待つあの海が見える
登山口に近い公園 

今日は良く晴れて雲一つない
かばんの中には忘れ物もない
弾む一歩笑顔乗せて
ハイキングへ行こう 

降り続いた雨は
ゆうべのうちに止んで
まるで僕の心の様さ
本当に久しぶりなんだ
こんな気分は 

木漏れ日に光る汗
小川のせせらぎ
小鳥の囀ずり
胸いっぱい息を吸って
この時僕らは生きている 

今日は良く晴れ

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あなただけがいない街

あなただけがいない街

静かすぎる朝に目覚ましが鳴って
疲れたままの自分にため息をついて
ただ顔を洗って
ただ歯を磨いて
珈琲だけ飲んで家を出る
一月の朝はまだ暗くて
冷たい手を擦り合わせ息を吹きかける
街中の色を見失ってしまった様に
うつ向いて一人バスを待つ 

それでも時は流れ春は訪れて
木蓮の蕾が大きく膨らんで
通いなれた道 
届いた日差し
優しく頬に触れる風
あなただけがいない街を歩く
よそ見をして時々は躓きなが

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風になれ

風になれ

一日が終わり暮れゆく空に
一つだけ強く光る星が 

あの日街を出た君を見送った海に近い駅
一人佇んで潮風に乗せて君へのエールを送る 

そうさGO!GO!GO!!諦めるなよ
例えどんな高く見える壁も
励ましあった心だけは
いつでもずっと一緒だよ 

胸の奥がギュっとなって
喉の奥もツンとなって
目の前は暗くなって
負けそうな時も 

そんな時は思い出して
たとえ今は一人でも
僕はいつも君の味方さ

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月の雫

月の雫

窓に映る月が静かに夜を告げて
読み終えた貴方の手紙淡く照らす 

この国へ来て三年ようやく暮らしに慣れました
そちらは皆かわりなく暮らしていますか
あなたの家の前の金木犀が香り出す頃でしょうね
上手くいかない事もありますが私はなんとか元気にやってます 

変わらない貴方の力強い文字が逆に寂しくて 

海を越えて一人きり言葉も解らぬ土地に立ち 

この身がどんなに遠く離れても
心は一つだと 

いつ

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虹色の雲

虹色の雲

潮風が通りを抜けて私の頬に届く
一輪の白い薔薇にあなたの笑顔が宿る 

本当の名前も語れず切り離された暮らし
そこにあなたは優しい笑顔と暖かい手を伸ばした 

あなたが直した下駄の鼻緒には
あなたの着物と同じ柄の布が結んであった 

病で歪んだ私の指を摩る
あなたの事をお母さんと一度呼んでみ
たかった 

少しだけ明かりのさした私達の暮らしも
長く続かずにあの日    嵐がやって来た 

目の見え

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最後のまたね

最後のまたね

朝の日差しにも春の匂い
門出を祝う鳥達のさえずり 

人気のないキャンパスに一人来たんだ
さあ君と僕の卒業式をしよう 

はじめて会った君はすごく真面目そうに見えて
僕の方は寝ぐせ頭  ボタンの取れたシャツ 

英文科だった君と電子工学科の僕が
出会うなんて 本当に奇跡的だよね 

少し歩こうか  よく行った角のカフェ
いつものね  そうさ合言葉
ダブルチョコレートバナナパフェ 

最初僕が頼んだ

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故郷の歌が聴こえる

故郷の歌が聴こえる

地下鉄の駅のホームの人の流れに
最近になってようやく慣れてきたんだ 

この街へ来て毎日あくせく流す汗の中
ほんの少しだけ混じる涙も一緒に拭う 

あんなに憧れた都会の暮らしの中で
心にしまっておいた故郷の歌口ずさむ 

忘れかけていた夢と
忘れていたはずの景色が今
固く閉じた瞼にそっと映ってる 

嗚呼どれだけ離れていても
あなたの家はここにあるから
僕の名を呼ぶ声が聞こえた気がした

神社の前

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